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睡眠

即寝・即起きで睡眠効率を高める

投稿日:2017年5月5日 更新日:

即寝・即起きで睡眠効率を高める

毎日20分、あなたは「床上」でムダな時間を過ごしている

日々の『ムダな20分」を削ぎ落とす
睡眠で大切な要素は「時間×質」だ。
ここから伝える、「即寝・即起き」の技術は、その両方を担う、あなたの睡眠変革にかかわる大切なスキルである。
「即寝・即起き」というと、次のような悩みを思い浮かべる人も多いだろう。
・ふとんに入ってからなかなか寝つけない
・朝、目が覚めても、いつまでもふとんの上でダラダラしてしまう
あなたも、同じような経験をしたことがあるかもしれない。
このような、眠っているわけでも活勤しているわけでもない時間は、はっきり言って無駄である。
多くの人は、これらを合わせ20分ほど損をしている。ひどい人は、I〜2時間それに時間を費やしている。
これらを短縮すれば、睡眠効率は格段に上がる。8時間ふとんにいて実際の睡眠時間が6時間よりも、6時間ふとんにいて実際の睡眠時間もほぼ同じほうが、効率がよいのは当然だ。

「即寝・即起き」ができると、睡眠の質が高まる
』のふとんに入ってから眠りにつくまでの時間、そして目覚めてからふとんを出るまでの時間を、専門的には、「床上時間(しょうじょうじかん)」と呼んでいる。

STEP1〜STEP4まであります。

STEP1では、この床上時間を縮めることを目標に、「即寝・即起き」の技術を紹介する。「即寝」の技術は7つ。いずれも、ふとんに入ってから5分以内に入眠するための技術だ。 これらを実践することで、昼間の「活動的な脳と体」から、深く眠るための「リラックスした脳と体」へとスムーズに転換できるようになる。いつまでも寝つけないということは、もうなくなる。「即寝」のメリットは、単純に睡眠時間を削ることだけではない。「ふとんに入るとすぐに眠れる」という癖をつけることで体が眠ることに慣れ、ノンレム睡眠への導入時間が短くなるのだ。 ノンレム睡眠については、STEP2で詳細に説明するが、この導入を早くすると脳と体が急速に回復する。「即起き」の技術は4つ。こちらは、目覚めてすぐに一日をスタートさせる技術だ。「即寝」の技術とは逆に、睡眠中の「リラックスした脳と体」から、昼間の「活動的な脳と体」に瞬時に切り替える方法である。起きなければいけないのにダラダラとふとんから出られない、朝に弱い、といった悩みはもうなくなる。「即起き」のメリットも、睡眠時間の短縮だけではない。「即起き」できる状態とは、目覚めた瞬間に体内の副腎皮質刺激ホルモンがト分に分泌されていて、心身ともに日中のさまざまなストレスに耐えうる準備ができているということ。 つまり、体内の『今日一日』に対する準備も、起きた瞬間に整った状態にできるということだ。 また、「即寝・即起き」を実現すると、睡眠時間のコントロールもしやすくなる。 同じ時間にふとんに入っても、眠りにつくまでにかかる時間と、目覚めてから起床するまでの時開かバラバラだと、「実際に眠っている時間」に大きなバラつきか出てしまうからだ。 すると、日によってコンディションが大きく変わってしまう。これは、STEP4で実践する「睡眠時間を削減する」際の大きな足かせとなる。このように、「質」「時間」の両面の理由から、あなたがショートスリーパーを目指すうえで、まず改善すべきは、「ふとんに入ってから寝つくまでの時間」
と、「目覚めてからふとんを出るまでの時間」なのだ。

『刺激コントロール法」で、布団を見るだけで眠くなる

条件反射的に眠る技術を身につける
まずは、「即寝」の技術を紹介していこう。 ふとんに入っても、いつまでもダラダラと寝つけない……これは、睡眠にさける時間が少ない現代人にとっては、大きな問題である。 実はこの悩み、多くの場合、「睡眠空間」を整えられていないことに原因がある。 ふとんが『眠る場所』になっていないのだ。ふとんの上でゴロゴロしながらテレビを観たり、スマートフォンをいじったりすることが習慣になっている。 すると脳は、ふとんを「眠る場所」ではなく、リビングのソファーのような「ダラダラ過ごす場所」として認識してしまう。「パブロフの犬」という言葉をご存じだろうか。「エサをやるときにベルを鳴らす」という行動を続けると、犬はいつの間にか、ベルの音を間くだけで「エサの時間だ」と思い、よだれを垂らすようになる。 これは「条件反射」という現象で、人間にも同じことが起きる。梅干しを見ると、唾液が出てくるのも、条件反射のひとつだ。 だったら利用しない手はない。『ふとんの上=眠るだけの場所」と条件づけをしてしまうのだ。 条件反射を利川し、「ふとんの上は、眠る以外に何もしない場所」とイメージづけをするこの方法は『刺激コントロール法』と呼ばれ、アメリカで30年ほど前に開発された。

ふとんを見ていいのは、寝るときだけ
ふとんの上を「眠るだけ」の環境にするためには、「寝室には何も持ち込まない」ことだ。テレビもスマートフォンもパソコンも食べ物・飲み物もすべて持ち込み禁止。そして寝る直前に寝室に入る。これを習慣づ
ける。
もしもワンルームマンションに住んでいて、寝る部屋とふだん過ごす部屋か一緒の場合は、寝るとき以外はベッドにカバーを掛ける。すると、夜にカバーを外して初めてふとんが見えることで、「ふとん=眠り」というイメージを強く意識づけできる。
同様に、ふとんなら昼間はたたんでしまって、寝る前に敷く。ソファーベッドなら、朝起きたらベッドを折ってソファーにするなど、日中の部屋と寝床を明確に区別すればよい。

眠れないときは、「ふとんから出る」習慣を
条件反射という意味では、眠れないまま、ずっとふとんにいることもよくない。
これを続けると、今度は「ふとん=眠れないところ」と条件づけられてしまい、不眠症になってしまう。
ふとんに入って30分以上眠れない場合は、まだ心身ともに「眠るとき」ではないと考え、思い切ってふとんから出よう。
そして、次のことをしながら、眠くなったらふとんに戻るとよい。
▼ホットミルク、八?ブティーを飲む
カルシウムが多く合まれる牛乳には、安眠効果がある。温めて飲むことで、心身ともにリラックスできる。
温かいハープティーにもリラックス効果があるのでオススメだ。
▼クラシックやヒーリング音楽を聴く
とくにモーツアルトやバッハの曲には、「1/fゆらぎ」というリラックスにつながる効果がある。
▼ストレッチをする
眠れない原因として「血行の滞り」かおる。良行が悪くなり、入眠の際に下がるはずの深部体温が下がらず、入眠が妨げられているのだ。
そこで実践したいのが、次の『眠りのスイッチをオンにするストレッチ』。筋肉をゆっくり伸ばし、血管を収縮させることで、血行を改善できる。

 

ふとんの上でストレッチをし、いったん台所などで温かいハープティーやホットミルクを飲む。そして気持ちが落ち着いたら、再びふとんに戻ればよい。

睡眠薬に匹敵する4つの香り

科学的に立証されている「香り」の睡眠効果
香りには、人間の心理状態を変える効果かある。眠りやすくなる香りの研究も進んでいて、科学的な効果
が証明されているものもいくつかある。代表的なものは、次の4つだ。
・ラベンダー
・セドロール(シダーウッド)※ヒノキやスギの香り
・コーヒー
・タマネギ
それぞれの効果について説明していこう。
▼ラベンダー
人間を睡眠に誘う香りとして最も有名なのがラベンダーだ。最近では、医療機関や介護施設でも使われている。
英・ロンドンの各人病院での研究では、睡眠薬を常用している患者にラベンダーの香りを嗅いでもらった
ところ、睡眠薬なしでも眠りが深くなり、深夜の徘徊がなくなったという報告かある。さらに、日中の眠気は減り、メリハリのある一日を送れるようになったという。
日本でも研究が進んでいる。大学生を被験者とした睡眠中の脳波実験で、大学生にラベンダーの香りをつけたふとんで限ってもらったところ、ふつうのふとんで寝たときと比べて、深い睡眠をとれている時間が明らかに増えたのだ。ラベンダーの香りは、眠りを確実に促す。
▼セドロール(シダーウッド)
セドロールとは、ヒノキ科やスギ科の樹本の香りに含まれる物質。ヒノキでできた浴槽に浸かると、ふつうのバスタブよりもリラックスできているように感じるのは、セドロールによるところが大きい。針葉樹林での森林浴がストレス解消に効果的なのも、同じ理由だ。
大学生の被験者に、就寝2時間前から就寝2時間後までの計4時間、セドロールの香りを嗅いでもらった実験がある。
この実験で特筆すべきは、セドロールの香りを嗅ぐと、嗅がないときに比べて、ふとんに入ってから寝つくまでの時間が45%も短くなったという結果か出たこと。これは睡眠薬の効果にも匹敵する数字だ。
さらに、夜中に目覚める回数が減ったという結果も出ている。
セドロールとラベンダーは、アロマオイルとして売られている。市販のアロマディフューザーを使って、寝室の香り環境を整えるとよい。
▼コーヒー
鎮静効果より覚醒効果のほうが高そうなコーヒーだが、香りを嗅ぐだけならば睡眠を促す効果がある。
コーヒーの香りを嗅いだときの脳波を調べると、リラクゼーションの指標であるアルファ波が多く出ていることがわかっているのだ。
ただ、豆の種類によってその効果は異なる。睡眠作用を高めるのは、グアテマラとブルーマウンテン。アルファ波を増やし、気持ちが落ち着いて眠りやすくなる。
▼タマネギ
過去に私が企画協力したテレビ番組で、いつも昼寝をしないで先生の于を焼かせている幼稚園児に、クマネギの香りを嗅がせ、眠るかどうかを調べたことかあった。
タマネギの香りがない部屋の園児たちはいつも通り眠らずに元気そのものだったが、刻んだタマネギを置
いた部屋の園児たちは、ほとんどが自然に昼寝に入っていた。
実は、タマネギの香りに含まれる「硫化アリル」という物質には、気持ちを落ち着かせ、眠りを誘う効果がある。硫化アリルはタマネギだけでなく、ネギ、ニラ、ニンニク、ラッキョウなど、独特の刺激的な香りを放つ食材に多く含まれる。
ただ、香りが強すぎるのは逆効果。タマネギを刻んで部屋に置く場合は、香りがするかしないかくらいの少量でよい。

「モヤモヤノート」でふとんの中で考えることをやめる

悩みやイライラは、机の中にしまってから寝る 仕事が終わった後も、移動中や家で会社のメールがチェックできてしまい、SNSで四六時中誰かとつながっている現代は、寝る直前までストレスを抱えやすい環境だといえる。 そのため、抱えたモヤモヤやイライラを消化できないままふとんに入り、いつまでも寝つけない人も多いだろう。 スパッと入眠するためには、ふとんに入る前に心のモヤモヤをすべて吐き出してしまうのかベストだ。 しかし、ただ「忘れよう」「考えないようにしよう」と思っても、なかなかうまくはいかない。 そこで効果を発揮するのが『モヤモヤノート』だ。 何も特別なものを用意する必要はない。 準備するのはA4ノート一冊とペン。このノートに、心から離れないモヤモヤや、今日あった嫌なことをすべて書き出すのだ。・取引先から理不尽なクレームを受けて、反論できずに罵倒された。悔しい・気になっている○○さんに恋人がいるかもしれない。指輪をしていたし、気になる・親の介護のことを考えるとつらい。このまま什事を続けられるだろうか など、どんなネガティブなことでも、些細なことでもかまわない。あなた以外誰も見ないノートなのだから、思いのだけを好きなだけ書きなぐってしまえばいい。

書き終えたらノートを閉じて、引き出しにしまう。そのときには、
『はい、今日はこれでおしまい』
と、締めくくりの言葉をはっきりと声に出す。これによって、気持ちがすんなりと切り替わる。
人間は、頭の中にあるものを、いったん外に出さないと認識しづらく、理解できない。
だから、頭の中のモヤモヤやイライラをノートに書き、アウトプットする。そしてそのノートを引き出し
にしまう動作も、
『はい、今日はこれでおしまい」
と声に出し、アウトプットする。
この二重のアウトプットにより、「あとは寝るだけだ」と自分に強く言い聞かせる効果が生まれるのだ。
すべてか終わったら、すぐふとんに入る。今日はこれでおしまい。明日のことはまた明日、考えればよい。

ノートはアナログ!デジタル厳禁
「モヤモヤノート」をつくるうえで重要なのは、必ず『紙に書き出す」ことだ。
スマートフォンのメモ機能や、パソコンの使用はNGだ。
スマートフォンやパソコンの画面から放たれるブルーライトは、脳を覚醒させる効果かある。
必ず、ノートに書き出そう。

成功者だけが実践している「寝逃げ」の驚くべき効果

問題は「眠るだけ」で解決する
夜に考えすぎてしまう人に、もうひとつ伝えたい技術、それは『寝逃げ』だ。
仕事が途中で行き詰まってしまったときや、明日までに解決しなければいけない問題がまだ解決していな
いとき、ふとんの中でも、その問題に考えを巡らせてしまうことがある。
しかし、ふとんの中で問題と向き合うより、「もう寝ちやおう」と現実から逃げたほうが、解決策が思い浮かぶことをご存じだろうか。
この「寝逃げ」ともいえる行為は、決して「現実逃避」ではなく、科学的根拠のある立派な「問題解決手段」のひとつである。
眠るだけで問題が解決する。こんな夢のような機能が、睡眠にはあるのだ。

「寝逃げ」が大発明やノーベル賞を生んだ
あなたも実際に、「朝起きたら、解決策が急に思い浮かんだ」という経験があるはずだ。実はこの現象は偶然ではない。
人の脳は、レム睡眠中、起きていた時間にストックした情報の中から、自分に必要なものだけを抜き出して再処理している。パソコンの「最適化」のようなものだ。
とくに大きな悩みがあればあるほど、この「最適化」機能は強くなる。古い記憶が整理され、新しい記憶と結びつくことで、新たなアイデアが浮かぶのだ。これが「寝逃げ」のメカニズムである。 寝逃げをして新しいアイデアを生み出す手法は「追想法」または「レミニセンス」と呼ばれている。発明家のエジソンや、1949年にノーベル物理学賞を受賞した湯川秀樹博士は、この手法を利用して難題を解いたといわれている。 ノーベル賞級の潜在能力を引き出すのか、この「寝逃げ」なのだ。 寝逃げをうまく活用するためのポイントは2つ。 ひとつは『眠りに執着しない』こと。「寝逃げをするために、早く眠らなくては」と焦って眠れなくなってしまっては本末転倒だ。 もうひとつは寝る前に、『解決したいことをきっちり頭の中で整理する』こと。 情報を手帳やノートに書き出してしまうのもいい。 起きているうちに情報を明確にすることによって、眠っているときの脳の最適化機能はより高まるのだ。

「昼の神経」「夜の神経」からへの切り替え方

なかなか寝つけない原因の正体
ふとんに入ってすぐに眠れない大きな原因のひとつは、ストレスだ。
ストレスを抱える人は、自律神経がうまく働かないことで、入眠がうまくいっていない可能性かおる。
自律神経は、心臓の鼓動や内臓の働き、さまざまなホルモンの分泌、血流など、自分の意志ではコント
ロールできない体の機能を司っている。人間は自律神経の働きによってコントロールされているといっても
過言ではない。もちろん、睡眠も例外ではない。
自律神経には、2種類の神経がある。体を活動的にする『交感神経』(昼の神経)と、体をリラックスさせる『副交感神経』(夜の神経)だ。つまり睡眠に大きくかかわってくるのは、夜の神経である副交感神経という
ことになる。
交感神経と副交感神経は、環境や脳内物質の作用によって切り替わる。しかし、この「切り替え」がうまくいかないこともしばしばある。ふとんに入ってもなかなか寝つけないときには、まだ自律神経のスイッチが昼のまま切り替わっていない可能性があるのだ。
体を活動的にさせる交感神経の働きにより、心身が興奮・緊張した状態のままなのだ。スムーズに眠りに
つくためには、夜の神経である副交感神経にスイッチを切り替えなければならない。

深いリラックス状態を生む『腹式呼吸」
自律神経のスイッチを切り替える有効な手段のひとつは『腹式呼吸』だ。

意識して呼吸することで副交感神経を働かせ、眠っているときと同じような深いリラックス状態に体をもっていくことができる。
腹式呼吸は、眠気を誘うだけではなく、睡眠の質を高める効果もある。毎晩の習慣にすると、質の高い睡眠も期待できるので一石二鳥だ。次のように腹式呼吸を試してみよう。

自分だけの「スリープセレモニー」を作る
いつもの『儀式」が眠気を促す
夜、寝る前に必ずやる、習慣となっている行動を『スリープ・セレモニー』という。
セレモニーという字面だけを見るとなんだか人げさだが、「歯を磨く」「トイレに行く」「パジャマに着替え
る」といった行動もスリープ・セレモニーのうちに入る。要は、寝る前に必ずやる習慣はなんでもスリープ・セレモニーなのだ。
スリープ・セレモニーは、スムーズに寝つくための効果的な方法となる。
大切なのは、毎日、同じ行動を習慣づけている点。決まったスリーブ・セレモニーを行うことで、脳は
「ああ、この行動に入ったということは、そろそろ睡眠に入るんだな」と意識づけられ、自然に眠気を促す
のだ。これも「パブロフの犬」と同じ原理である

寝る前に何も考えずにできる作業を
すでに多くの人がやっているように、「歯を磨いてパジャマに着替える」というのは最も一般的なスリープ・セレモニーだ。
「簡単な片づけをする」「ストレッチをする」「音楽を聴く」など、活動的な時間と『睡眠』という休息時間の
間に、『何も考えずにできる作業』を挟むのはとても重要だ。
また、先ほど紹介した腹式呼吸を行うのも、有効なスリープ・セレモニーとなりうる。

軽い気持ちでも続くような、自然にできるスリープセレモニーをつくることができれば、少々、環境が変わってもスムーズに入眠することができるだろう。

エスプレッソ2杯分の覚醒効果がある「あのの行動」をやめる

仕事のメールチェックを「朝」にすべき理由
デジタル機器の画面から放たれる「ブルーライト」の悪影響は、あなたも耳にしたことがあるだろう。
そのまぶしさやちらつきは、人間の目に確実にダメージを与える。パソコンでの仕事が多い人に、眼精疲
労や目の痛みを訴える人が多いのは、ブルーライトが原因だと考えられている。
最近の研究では、このブルーライトは、目に直接ダメージを与えるだけでなく、寝つきが悪くなる作用があることもわかってきている。
英・エディンバラ睡眠センターのクリス・イジコフスキ博士は、自身の研究で「デジタル機器のディスプレイから発せられるブルーライトが脳を刺激し、メラトニンの分泌をストップさせる」ことを明らかにした。
メラトニンは睡眠ホルモンの一種。その分泌がストップしてしまえば、眠くならないのは当然だ。
そしてもちろん、メールの中身も大きな影響がある。睡眠を邪魔する最大の原因はストレスだ。メールは新たなストレスや興奮材料を生みやすい。
イジコフスキ博士はこの点についても、『仕事関係のメールを見ただけで、エスプレッソコーヒーを2杯飲んだときと同じくらいの興奮状態になる』と指摘している。大変な濃度だ。
反対にいえば、朝のメールチェックは、活動的な脳に切り替えるために有効な手段だといえる。
夜にメールを見ても、できることは限られている。「メールは夜ではなく朝」にチェックしよう。

理想の目覚めが手に入る自己覚醒法

副腎皮質刺激ホルモンを上昇させる
ここまでの7つの「即寝」の技術をこなせば、あなたは、明日から無駄な睡眠時間を削り、睡眠の質も高めることができる。
そしてここから紹介する「即起き」の技術を身につければ、あなたは、睡眠で生じる無駄な時間を限りなくゼロにできる。
さらに、これまでのように「もっと寝ていたい」というストレスを抱えながら起きたり、起きてから数時間頭が働かないといった悩みともオサラバだ。
心地よく目覚め、起きた瞬間から高いパフォーマンスを発揮できるようになる。
即起きの技術でまず伝えたいのは、「理想の目覚め方」だ。
あなたにとって理想の目覚め方とは、どのようなものだろうか?
目覚めにおける一番のストレスは「もっと寝たい」ということだろう。もっと寝ていたいのに、目覚まし時計で強制的に起こされる……耳元で鳴る目覚ましの音を「うるさいな」と思ったことは、誰しもがあるだろう。
「まだ寝ていたいのに!」「今起きようとしていたのに!」とイライラしなから目覚める・・・・朝一番に感じる
ストレスは目覚ましの音かもしれない。
当たり前の話だか、自然に目が覚めるのが、人間が最も心地いいと感じる理想の目見めだ。毎日、休日のように目覚ましを気にせず、目が覚めたタイミングで起きられたらどれだけ幸せだろうか……と思う人も多いはずだ。

実はこれ、睡眠時間が短くても実現できる。 人間は、『自己覚醒能力』という、自分が起きたい時刻に起きられる夢のような能力を持っている。その能力をフル活用すれば、目覚ましなしで起きることかできるのだ。 この自己覚醒能力については、目覚ましなしで起きられる人と、目覚ましがないと起きられない人を比べた興味深い実験かおる。 目覚ましなしで起きられる、つまり「自己覚醒」できる人は、目が覚める1時間前から、心地よく目覚めるのに欠かせない「副腎皮質刺激ホルモン」の分泌が緩やかに上昇し始め、気分よく目覚めることができた。一方、目覚ましで強制的に起こされた人の副腎皮質刺激ホルモンは上昇せず、目覚めの気分はよくなかった。 副賢皮質刺激ホルモンは、脈拍や眼目を上昇させて全身の細胞を活発に動かし、ストレス耐性を高める働きを担う。 自己覚醒能力の高い人は、起きる時間に合わせて副腎皮質刺激ホルモンを分泌し始め、目覚めてすぐ活動できるよう脳と体の準備を整えているのである。 つまり、自然な目覚めができるようになれば、心地よく起きられるだけでなく、すぐに活動できる準備が整った状態で起きられるのだ。

5時に起きたいなら、枕を「5回」叩く
では、目覚ましがないと起きられない人が、どのように自然に起きられるようになるのか。 方法は単純だ。『何時に起きたいか」を強く思い描くだけでいい。それだけで、起きたい時刻に起きられるのである。 嘘のような話だが、効果は実験でしっかりと証明されている。 この実験では、被験者Aに「明日、6時に自分で起きてくださいね」と伝え、時計のない部屋で寝てもら

一方、被験者Bには「明日、9時に自分で起きてくださいね」と伝え、時計のない部屋に寝てもらい、不意を突いて6時にたたき起こす。被験者Bにとっては少々酷な実験だ。 そして双方の副腎皮質刺激ホルモンの分泌過程を調べる。 結果、被験者Aは、6時の起床に向け、4時30分ごろから副腎皮質刺激ホルモンか増えだした。体が自然に、起きる準備を始めたのである。 一方の被験者Bは、6時の時点でも副腎皮質刺激ホルモンの分泌は停滞したまま。体が9時に起きるつもりになっているのだから仕方かない。 そして6時にたたき起こすと、副腎皮質刺激ホルモンの分泌が一気に増えた。予定していたよりも急に早く起きなければならなくなり、体がフル回転で副腎皮質刺激ホルモンを分泌させ始めたのだ。 酷な実験を課しておいてなんだが、あまりいい目覚めとはいえない。 っまり、『○時に起きよう』と意識するだけで、その時間に起きるように体内時計を調整する機能が人間には備わっているのである。 もちろん、目覚まし時計のように時間ぴったりというわけにはいかないが、起きようと意識した時刻の前後15分程度であれば、自然に目覚めることはできる。 その精度を高めるためには、起きる時刻の数だけ枕を叩くのが効果的。5時に起きたいなら、1から順番に数字を声に出しながら、枕を5回叩く。これは記憶中枢に刻み込む作業で、自己暗示としては高い効果が得られる。 加えて、「自分は絶対に起きられる」と信じ切ることで、自己覚醒能力はより高まる。

最もストレスなく起きられる「目覚ましのかけ方」

自分の「自己覚醒能力」のみを信じるのは不安かもしれない。そんなときは目覚ましを工夫して、ストレスなくスムーズに起きよう。 最もストレスなく、スムーズに起きるためには、自分の名前を録音したものをアラームとして設定するといい。 医者が患者の意識を確認するときに患者本人の名前を呼ぶのは、人間か自分の名前に大きな反応を起こすからだ。 これには、「カクテルパーティー効果」と呼ばれるものも大きく影響している。 カクテルパーティー効果とは、たくさんの人が雑談している場でも、自分が興味を持っている人の会話や、自分の名前、自分に聞する話題などは聞き分けられるというものだ。 人間は耳で聞き取った音の中から、自分に必要なものを選択して聞き取る能力を持っているのである。 そのため、自分の名前を録音した音声は、単なるアラーム音より覚醒効果が高く、かつ小さい音でも脳が反応するためストレスは少なくて済む。ぜひ、試してほしい。

5分間二度寝で幸せに目覚める

ニ度寝がもたらす驚くべき効果

一度目覚めた後で、もう一度眠りに入ってしまう「二度寝」。なんだかダラダラとしていて健康にもよくないように思える。 しかし実は、二度寝は悪いことではない。むしろ、心にとっても体にとってもいいことだらけなのだ。 目覚ましが鳴って起きたけれど、「今日は休みだから」と目覚ましを止めて二度寝する。とても幸せな気分だ。 こんなとき体内では、抗ストレスホルモン「コルチゾール」がたくさん分泌される。 コルチゾールはストレス耐性を担うホルモン。人間の体内では、目覚める1〜2時間前から急激に分泌が盛んになる。コルチゾールの分泌によって、心はウオーミングアップし、「今日のストレス」に備えるのだ。 二度寝をすることによって、コルチゾールの分泌はさらに続く。結果的に入念なウオーミングアップをすることになり、心は凹みづらくなる。 二度寝の効果はほかにもある。二度寝をしているときの脳は、リラックス効果を促すアルファ波の影響が強くなり、脳内麻薬の一種「エンドルフィン」が分泌される。 エンドルフィンは、自分の好きな音楽や小川のせせらぎなど、心地よい音を聞いたときに多く分泌され、心身の緊張を和らげたり、ストレスを軽減したりする効果がある。 ただ欲望に任せて二度寝をするだけで、小川のせせらぎを聞くのと同じ効果があるのだ。お得そのものである。

絶対に守りたい『二度寝」のルール

しかし、いくら二度寝か心身によい影響を及ぼすからといって、何時間も二度寝をしてはいけない。 抗ストレスホルモン「コルチゾール」を最大限に分泌させ、かつ毎日の生活に影響のない程度の二度寝をするには、『二度寝は5分、一度だけ」というルールを守ることが重要になる。、一度寝を10分以上すると、それはもはや二度寝とは呼べないくらいの深い眠りに入ってしまうからだ。 目覚ましが鳴って目覚めたら、5分後にセットし直して、次のアラームでしっかりと起きよう。もちろん、あらかじめ5分差で2回セットしてもいいし、スヌーズ機能を使ってもいい。 そして、あくまでもコー度寝」なので、再び眠るのは「一度だけ」にとどめよう。ニ度も四度も目覚ましを止めて眠ってしまうのは、二度寝ではない。 朝は、「5分間二度寝」でコルチゾールやエンドルフィンの効果を最大限に得て一日を始めよう。 ちなみに「自己覚醒法」と「二度寝」は併用できる。自己覚醒法で目見めたあと、さらにアラームをセットして「5分間二度寝」をすると、より幸せな目覚めとなるだろう。

寝起きの『アイソメトリックス」で、さらに目覚めスッキリ

寝起き一分、ベッドでできる一日に備える運動

「即起き」の技術を紹介しているのに矛盾するようだが、朝、目覚めてすぐに飛び起きるのは危険だ。 寝起きは、数時間横になっていたことで体がこわばっている。目覚めて急に起き上がったためにぎっくり腰になってしまった人もいるほどだ。 目覚めてすぐは、まず体をほぐし、体の隅々まで血液を巡らせ、体温を上げる必要かある。 そのために効果的なのは、今注目されている運動法『アイソメトリックス』だ。 アイソメトリックスとは、筋肉の長さを変えずに、ギュッと力を入れる運動のことを指す。道具を使わず、筋肉への負担もかけずに、短時間で効果を得られるエクササイズである。アイソメトリックスのポイントは、次の2つだ。
・呼吸を止めない
・動かす部位を意識しながら力を入れ、10秒間、動かさない
この2点を意識しながら、首や肩まわり、腰の筋肉を勤かし、体を温めていく。 ここでは3つのアイソメトリックスを紹介する。左のイラストを見ながらやってみてほしい。 この3つのアイソメトリックスは、直接動かす首や肩まわりの筋肉だけでなく、腰の筋肉にもいい影響を与える。腰の筋肉が硬くなると寝返りが打ちにくくなり、それが原因で睡眠障害に陥ってしまうこともある。睡眠の質を高めるという意味でも、寝起きのアイソメトリックスは重要だ。

 

飲み会翌朝に有効な脳と体を強制的に起こす裏ワザ

残業の翌朝にも使える『即起き」の技術とは?
ここまでの流れをしっかりやれば、「即起き」は確実に身につくはずだ。ただ、それでも前日に飲みすぎたり、予想外の残業があったりと、イレギュラーな事態で目覚めが悪いこともあるはず。
そこでここでは、脳と体に強制的にエンジンをかける2つの方法を紹介する。
▼朝シャワー
体を起こすには、体温と血圧を上げることが重要だ。しかし、とくに冷え性や低血圧の人は、自分の力だけでは体温や血圧が上がりにくく、結果として体が活動する準備を整えにくい。
そこでオススメしたいのが、熱めの朝シャワーだ。適温は40〜42度。シャワーの刺激でエンジンがかかり、昼の神経である交感神経が活発に動き出す。
さらに、熱めのシャワーを浴びると、「ヒートショックプロテイン」というたんぱく胃がつくられる。このたんぱく胃が傷ついた細胞を修復し、免疫機能も高めてくれる。
▼甘いもの
チョコレートなどの甘い食べ物は脳の栄養となる。血糖値と血圧が上がり、それにつれて体温も上がる。
また、バナナもよい。バナナには目覚めを促すセロトニンの原料となるトリプトファンが多く含まれており、時間がないときは朝食代わりにもなる。
この2つを実践すれば、脳と体に強制的にエンジンがかかる。前日の睡眠環境が悪かった日には、ぜひ実践して欲しい。

STEP 1 のまとめ
即寝の技術 ToDoリスト
口ふとんを見るだけで眠くなる「刺激コントロール法」
ロ眠れないときは、ふとんから出る。
ストレッチを行ったり、ホットミルクを飲むとよい
ロ睡眠薬にも匹敵する「4つの香り』を有効に使う
口「モヤモヤノート」に悩みを書き出して、
ふとんの中に持ち込まない
ロ考えごとは、「朝起きたら解決している」と考える
口腹式呼吸で自律神経のスイッチを切り替える
口自分だけの「スリープ・セレモニー」をつくる
口就寝前にメールチェックをしない

即起きの技術 ToDoリスト
ロ寝る前に、「起床時刻」の数だけ枕を叩き、
副腎皮質刺激ホルモンの分泌を起床時に合わせる
ロ目覚まし時計のアラームは、
「自分の名前」を録音したものにする
口「5分間二度寝」で幸せに目覚める
ロ寝起きの「アイソメトリックス』をする
口飲み会翌朝には、
「シャワー」と「甘いもの」を有効活用する

睡眠の質を上げ、脳と体を劇的に回復させる

入眠3時間の『ぐっすり」が、朝の『すっきり」につながる

ノンレム睡眠で『脳」の疲れをとり、「体」の細胞を修復する

STEP2では、短時間でも脳と体を満足させる睡眠の「質」の上げ方を紹介する。 その前に、まず、そもそも「睡眠」とは何かを、ざっと押さえておきたい。難しく感じるかもしれないが、睡眠の質を理解するうえでとても大切なメカニズムだ。 まず眠りには、脳の休息時間である「ノンレム睡眠」と、質の休息時間である「レム睡眠」の2種類がある。 ノンレム睡眠は「脳の睡眠」とも呼ばれている。ノンレム睡眠の主な目的は、ストレスの除去やホルモンの分泌だ。脳が休んでいるうちに、体のほうでは新陳代謝が促進され、免疫機能が高まり、細胞のメンテナンスが行われる。 ノンレム睡眠のときに起こされると、脳も体も眠気が強く、寝足りない気分になる。これは「脳が休んでいて、体もメンテナンス中」という、起きる準備がまったくできていない状態で睡眠をカットされるからだ。 一方のレム睡眠は「体の睡眠」とも呼ばれている。体は休んでいるが、脳は活動している状態。記憶の固定化と筋肉の疲労回復が主な目的だ。 脳が活発に動いているのは、記憶の「整理」と「再構築」をするため。 起きていた時間にストックした情報の中から、自分に必要なものだけを抜き出して、再処理している。パソコンの「最適化」のような機能を果たしているのだ。 体は緊張が抜けて休息状態であるものの、脳は働き、眠りが浅くなっている時間帯なので、このときに目覚めると、すっきりと起きることができる。

ノンレム睡眠の質を高め「より深く」眠る
眠りの深さには「浅いノンレム睡眠」「深いノンレム睡眠」「レム睡眠」の3段階があり、次の図のように、人間は人眠からどんどん眠りを深めていった後、折り返して浅い眠りへ向かう。

 

そして最も浅い眠りのときにレム睡眠に切り替わり、脳が起きている状態が10〜20分ほど続いた後、またノンレム睡眠に入り、眠りを深めていく。
人間はこの3つの睡眠を繰り返しながら、脳と体を回復させていく。
このノンレム睡眠とレム睡眠をバランスよくとるのは、高度な脳を持つ人間特有の活動といってよい。
というのも、人間のような高度な脳を持だない動物は、脳を休めるノンレム睡眠をとる必勝がないからだ。
ほとんどの動物が、体を完全に体めるレム睡眠のみをとっている。
つまり人間が人間らしく活動するためには、脳の疲れをとるノンレム睡眠のほうが大事だといえる。
もちろんレム睡眠も「記憶を整理する」という大切な役割を担うが、それにはまず、ノンレム睡眠で完全に脳が休まっていることが大前提だ。
つまり、人間にとって最適な睡眠とは、ノンレム睡眠とレム睡眠をバランスよくとりながら、とくにノンレム睡眠の質を高め、より深く眠ることなのである。

あなたの疲れがとれない理由
そして、睡眠の質を最大限に高めるためにまず重要なのは、寝ついてから180分で、どのような睡眠を得るかということである。
人間の睡眠は、(人によってバラつきはあるが)約90分周期で「脳の眠り(ノンレム睡眠)」と「体の眠り(レム睡眠)」を繰り返す。
この繰り返し2回分、つまり眠りについてから1・80分の睡眠がとても重要になる。
この時間に細胞の傷んだ部分を修復する「成長ホルモン」が多く分泌され、筋肉や骨、脳の細胞を増やしていくからだ。
成長ホルモンは、筋肉や骨の成長を促すだけでなく、体の疲れを回復したり、傷んだ組織を修復したりする。 さらに脂肪を燃焼させたり、昼間に受けた紫外線による皮膚のダメージを回復したり、新陳代謝を促したりと、美容やアンチエイジングにも大きくかかわる働き者のホルモンだ。 成長ホルモンは、「22〜2時の180分に多く分泌される」という説がある。しかし、実際には時間を問わず、入眠してから180分の間に深いノンレム睡眠に入ると、シャワーのように大量に成長ホルモンが分泌される。 つまり、「筋肉や骨の成長を促す」「体の疲れを回復する」「体内の傷んだ組織を修復する」「脂肪を燃焼させる」「皮膚のダメージを回復する」「新陳代謝を促す」といった成長ホルモンの効能を最大限に獲得するには、ふとんに入ってから180分に睡眠の『ピーク』を持ってくればよいということになる。 この180分をぐっすり眠ることができればできるほど、脳と体の疲れがとれ、翌日にすっきりと目覚めることができるのだ。 成長ホルモンは、成長期に最も多く分泌される。寝る子は育つといわれるのは、これが理由だ。分泌のピークは18〜20歳で、30歳からは急激に減少する。そして40歳では、20歳のころの約40%まで激減する。『たくさん寝ているはずなのに疲れがとれない」という感覚を抱くのは、この分泌される成長ホルモンの減少が大きく影響していると考えられる。 そのためにも、入眠から180分の睡眠の「質」をいかに高めるかが勝負だ。 それでは、具体的な策を紹介していこう。

面倒くさがりでも上手くいく「魔法のサプリメント」

人間の5分の1はアミノ酸でできている
睡眠の質を最大化するといっても、そのための策を講じるのはいろいろと面倒なものだ。
そこでまずは、手っ取り早く睡眠の質を上げる「魔法のサプリメント」を紹介したい。面倒くさがりの人は、まずこの項目から試してほしい。寝る前にあるサプリメントを飲む、もしくは、その要素をとれるよう
いつもの食事に一工夫を加える。それだけで、睡眠の質はグッと高まる。
さて、人間の体の20%はアミノ酸でできている。人間が生きていくために必要な物質として、アミノ酸は大きなウエイトを占めているのだ。もちろん、睡眠にも大きく影響する。
ここでは、人間を心地よい眠りへと誘い、睡眠の質を高める「3つのアミノ酸」を紹介しよう。

たった3グラムで、『朝に弱い」がなくなる
まずは、『グリシン』というアミノ酸を紹介したい。グリシンは、地球上で最も古くから存在するアミノ酸だ。占いだけあって、アミノ酵の中で分子量は最も小さく、構造も単純。体のさまざまな部位に存在している。
たとえば、皮膚にあるコラーゲンをつくっているアミノ酸。その3分の1はグリシンが占めている。そのほかにも、赤血球中のヘモグロビンや肝臓の酵素も、グリシンがつくっている。
こうした我々の体をつくるうえで欠かせないグリシンは、睡眠についても重要な働きを担っている。

まず、入眠をサポートする働きがある。入眠の際、体は内部の温度を下げる。グリシンは、血管を拡張し、それを促すことがわかっている。 また、睡眠の質も高める。グリシンを摂取すると、ノンレム睡眠の時間が増加することがわかっているのだ。ノンレム睡眠の時間が増加すれば、体の休息はいつも以上に進む。 さらに、グリシンを摂取することで、ノンレム睡眠の中でも、とくに睡眠が深くなる「徐波睡眠」と呼ばれる状態に、より早く到達することもわかっている。これにより、成長ホルモンが出やすくなる。 このグリシンの睡眠効果を証明する実験がある。睡眠に問題を抱えた被験者に、ふとんに入る30分前に3グラムのグリシンをとってもらい、翌朝と日中の状態を調べた研究がある。 すると、毎日いくら寝ても「まだ眠い」「頭がすっきりしない」「疲れがとれない」「やる気が出ない」という症状を訴えていた被験者が、グリシンをとった翌朝にはシャキッと起きることができ、日中のパフォーマンスも上がったのである。 睡眠中の脳波を調べても、グリシンをとると、寝ついてからすぐに深い睡眠に入り、睡眠のリズムも自然なものになったという。 これは、グリシンが脳の体内時計に働きかけ、睡眠のリズムがうまくとれるように作用したからだと考えられている。 グリシンは、サプリメントとして売られているので、ネットショップなどで気軽に手にすることかできる。 もちろん、食事からもとることができる。主に、魚介類(エビやホタテ、カニ、イカなど)に含まれる。眠りが不調なときには、夕食にこれらの食材をとってみるのもよい。

眠りのホルモンをつくり出すアミノ酸とは?

もうひとつのオススメは『トリプトファン』だ。トリプトファンは「必須アミノ酸」のひとつ。必須アミノ酸とは、人間の体内で自然には生成されないアミノ酸のことをいう。食物などで外部からとるしか、必須アミノ酸を体内に保持する方法はない。 その必須アミノ酸のひとつであるトリプトファンの重要な役割は、睡眠ホルモン・メラトニンをつくる材料のセロトニンを生み出すことである。 つまりトリプトファンを十分にとり、セロトニンが多く生み出されている状態をつくることによって、睡眠ホルモン・メラトニンが多く分泌されやすくなるのだ。すると、ぐっすり眠りやすくなる。 トリプトファンは、牛乳や乳製品、豆類、バナナ、アボカド、肉類などに多く含まれる。 また、『GABA』というアミノ酸もよい。GABAとは、脳や脊髄に多く存在している、神経伝達物質として重要な役割を担う「γ‐アミノ酪酸」のこと。 このGABAには、興奮を抑え、気持ちを鎮めるリラックス効果がある。睡眠薬は、このGABAの働きを増強しているものだ。医学的にも睡眠への効果が信頼されているアミノ酸なのである。 睡眠以外でも、自律神経の不調からくる不安やいら立ちの緩和、アルツハイマー型認知症の予防や改善、軽症高血圧患者での血圧低下、腎臓や肝臓の機能改善、肥満の防止など、ありとあらゆる効果が報告されている。 GABAは、サプリメントとして手軽に手に入れることができる。 もちろん、食事からも摂取でき、GABAが多く含まれるのは、玄米や胚芽米、アフ、ヒエ、大麦といった雑穀など。ぐっすり眠るためには、夕飯の主食を白米から玄米に替えてみてもいいだろう。

副交感神経が優位になる3つの「自律訓練法」

「公式」を唱えるだけで強いストレスが消え去る 睡眠薬を使わずに不眠症を治す治療法として確立されているのが、「自律訓練法」である。これは、決められた言葉(=公式)を心の中で何度も唱えることによって、自分を軽い催眠状態にして、筋肉を緩め、気持ちを落ち着かせる方法だ。 ストレスで活発になっている交感神経の活動を鎮め、副交感神経を優位にし、眠りやすくする効果かおる。こういうと、なんだか「洗脳」のようで怪しく聞こえるが、決して怖いものではない。マスターすることで、短時間で体も心もリラックスさせることができる。 自律訓練法は寝る前に行う。 不眠症だけでなく、毎日忙しくて筋肉や気持ちの緊張がとれない人や、強いストレスやいら立ちを感じている人にも効果的な『セルフ治療法」だ。 正武な自律訓練法は、基礎の「標準練習」と「時間感覚練習」などの上繊細の2段階のプログラムから成りなっている。 ただ、これをすべてマスターするには、専門的な知識が多くいる。 しかし、睡眠の改善に役立てる程度の自律訓練法は、基礎の「標準練習」の中の一部をマスターするだけでよい。

あなたの心を穏やかにする3つの公式
自律訓練法の「標準練習」は、次のステップから構成されている。
安静練習 ‥背景公式『気持ちが(とても)落ち着いている』
四肢重態練習‥第1公式『両腕、両脚が(とても)重たい』
四肢温態練習‥第2公式『両腕、両脚が温かい』
心臓調整練習‥第3公式「心臓が(自然に)静かに規則正しく打っている」
呼吸調整練習‥第4公式「(自然に)楽に呼吸している」
腹部温感練習‥第5公式「お腹が温かい」
額部涼感練習‥第6公式「額が心地よく涼しい」
「公式」とは、心身ともにリラックスした状態で、心の中で繰り返し唱える言葉のこと。催眠状態になりやすいよう、短く端的な言葉でできている。
睡眠の質を高めるには、この7つのステップのうち「安静練習」から「四肢温感練習」までの3つの公式だけをマスターすれば大丈夫だ。

安静練習『気持ちが(とても)落ち着いている」
まずは「安静練習」から行う。これは自律訓練法のすべての段階の基礎となるものだ。
体に負荷がかからない楽な姿勢で、ゆっくりと呼吸をしながら、公式の「気持ちが落ち着いている」という言葉を、心の中で何度も唱える。
姿勢を整え、この安静練習を始めた段階で、心はすでに落ち着き始めている。その落ち着きを認め、しっかり感じ取ることが大切だ。
初めのうちは、「気持ちが落ち着いている」と唱えながらも集中し切れず、雑念が生まれてしまうことがあるかもしれない。しかし、気にすることはない。生まれた雑念は放置し、ひたすら「気持ちが落ち着いている」と唱え続けよう。

四肢重感練習『両腕、両脚が(とても)重たい」
続いて、両腕両脚の重さを感じ取る「四肢重態練習」に入る。
四肢重態練習は利き腕から始める。ほかの腕や脚と比べて、微妙な変化も敏感に感じ取れるからだ。
まずは利き腕全体にぼんやりと意識を向けながら、「利き腕が重たい」という公式を心の中で唱え続ける。
右利きの人の場合、公式は「右腕か肌たい」となり、左利きの人の場合は「左腕が重たい」となる。
筋肉や気持ちが緊張し続けている状態では、筋肉のコリやハリからくる不快感、痛みを感じとることができても、その部位そのものが持つ重さは感じにくい。
気持ちと体をリラックスさせ、力が抜けることで、腕と脚そのものの重さを自覚することができるのだ。
利き腕の重さを感じられるようになったら、次は反対の腕に意識を向ける。そして「左腕(または右腕)が重たい」と公式を繰り返す。その後、両脚にも同じく意識を向け、公式を唱え続ける。

四肢温感練習『両腕、両脚が温かい」
四肢重感練習を終えたら、「四肢温感練習」に移る。睡眠の質を高めるための簡易版では、これが最後のステップとなる。
四肢温感練習も、「利き腕→逆の腕→両脚」の順番で意識を向けて進めていく。公式でいえば「利き腕(右腕または左腕)が温かい」→「左腕(または右腕)が温かい」→「両脚が温かい」の順番となる。

では、なぜ温かさを感じるのだろうか。
実は、筋肉の周りには多くの血管かおる。筋肉か緊張して収縮すると、血管の中の血液が押し出される。
反対に、筋肉が緩むと、血管が広がって、血液が流れ込んでくる。
血液はこのときに、酸素とともに熱を運んでくる。自律訓練法によって気持ちと体がリラックスすると、筋肉が緩んで血管が広がり、手足が温かくなってくるのだ。
手足が温かく感じるのは、緊張がほぐれ、体の隅々まで血液が行き渡った証拠なのである。
初めは、温かさや重たさを感じられるようになるのに各ステップ5分ほどの時間がかかるだろう。
しかし慣れてくれば、3ステップ全体を5分ほどで終えられるようになる。
最初は難しく感じるかもしれないか、時間をかけてじっくり取り組んでみよう。

なぜ睡眠直前の食事は、睡眠の質を極端に落とすのか?

腹いっぱいで寝てはいけない
お腹がいっぱいになると眠くなるのなら、それを利用して寝る前に食事をとれば、すぐに眠りにつけると考える人もいるかもしれない。
たしかに、お腹いっぱいになると眠くなるのは雅実だが、それは質のよい睡眠とはいえない。空腹状態に比べると、格段に質が悪くなる。
満腹状態になると、「満腹ホルモン」と呼ばれるレプチンが分泌される。レブチンには催眠効果があり、お腹がいっばいになると眠くなるのはこの作用によるものだ。
しかし、レプチンの主な仕事は、睡眠に誘導することではない。レプチンの「本業」は、食べたものを消化するために胃腸を忙しく働かせること。その状態では脳や休は休まることはなく、睡眠に入っても浅い眠りにしかならない。
だから、眠る前に食事をとってはいけないのだ。

帰りが遅い人は夕食を2回食べる
食事をとってから、胃腸の働きがひと段落するまで、約3時間はかかる。そのため夕食は、遅くとも就寝3時間前に済ませておくのかベストだ。
また、脂肪分の多い食事は、消化に時間がかかってしまう。夕食では、脂肪分の多い肉類や揚げ物は控えたほうが好ましい。

どうしても小腹がすいてしまい、我慢ができない場合は、消化のいい食べ物をとるとよい。
また、残業などで夜が遅く、夕飯を就寝3時間前以降にしかとれない人は、間食をうまく使おう。
一度にドカ食いするのではなく、19時頃に一度、間食をはさみ、夜はスープなどの消化のよい軽めの食事をとるとよい。

快眠は、枕とマットレスで決まる

寝返りを制する者が睡眠を制す
昨今の寝具の進歩は目覚ましい。ふとんだけでなく、枕やマットレスなど、快適な眠りを助けるさまざまな製品か開発されている。
CMやテレビショッピングでヒット商品が紹介されていると、つい手を出したくなってしまうが、ちょっと待ってほしい。
寝具はおいそれと買い替えるわけにはいかない入切なもの。自身の体格や骨格に合った寝具を、直接お店で試しながら、じっくりと考えて購入したい。
自分に合った寝具を見つけるために、最も重視したいポイントは、『寝返りの打ちやすさ』だ。
寝返りには、熱や湿気を放出して体温を調整することで心地よく眠れるようにしたり、血液や体液の循環
をよくすることで体の回復に備えたり、一定部位だけに圧力がかかり、腰痛や肩こりが起きないようにしたりする効果がある。
寝返りを制する者が睡眠を制すといっても過言ではないくらい、睡眠にとって寝返りは重要なのだ。

まずは、マットレスと枕を見直しなさい
寝返りがしやすいかどうかの最重要項目は、「マットレス」と「枕」だ。
まず、自宅のベッドで左のように駄本姿勢をとり、左右に寝返りの動作をしてほしい。このとき、上半身と下半身が一体となって動く場合、あなたは適切なマットレスと枕を使っているといえる。しかし、上半身と下半身それぞれがバラバラに動く場合は、どららか片方が体に合っていない可能性が高い。

マットレスが合わない場合は、大きく2つの原因が考えられる。
まず、低反発マットレスを使用しているケースだ。低反発マットレスは、横になったときの姿勢が安定する字面、体をホールドしすぎてしまい、寝返りしにくくなってしまう。個人的には高反発マットレスのほうをオススメしたい。
もうひとつは、同じマットレスをずっと使っていて、マットレスが凹んでいる場合だ。マットレスの形にゆがみがでてしまっている。
これを予防するために、半年に1回は裏表をひっくり返したり、頭とお尻を逆にしたり、部分的な凹みが
できないようにしたい。凹んできたら、タオルなどで高さを補うのも効果的だ。
それでもやはり、5〜10年に一度は買い替えるようにしたい。

自宅でつくれる高機能枕
また、枕も同様で、高すぎたり、低すぎたり、または固さによっても、寝返りの打ちやすさが変わってくる。実際にお店に足を運び、展示されてあるマットレスコーナーで、先ほどの方法を試し、上半身と下半身が同時に動くものを探したい。
また、枕の場合、横になったときに首が傾いていないかも重要だ。横向きになったときに額、鼻、あご、胸のラインが一直線になっているかを確認したい。

素材面では、夏は通気性のよいビーズやそば殼、冬は保温性の高いウレタンが合う。季節によって枕を変えることで、移り変わる四季に睡眠をフィットさせることかできる。
もし自分に合う枕をなかなか見つけられない場合は、整形外科の院長が提唱する「玄関マット枕」をつくることをオススメしたい。
つくり方は次のとおりだ。硬めの玄関マットとタオルケットを折るだけで、寝返りが打ちやすく、自身の体形、体格に合った枕をつくることができる。

 

 

 

 

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