睡眠薬通販・販売|エスゾピクロン・バスパー・眠剤の個人輸入

睡眠薬の種類・強さ・副作用・分類とその特徴・効果・口コミ

睡眠

睡眠障害の身体内の原因

投稿日:2015年9月6日 更新日:

睡眠障害の身体内の原因を探る

内在因性睡眠障害

このページでは、第一項目の第一群「内在因性睡眠障害」を紹介します。前ページに記したように、内在因性睡眠障害とは、睡眠障害の原因がほんらい身体内にあって、さらにそこから進展するものです。一三種類に分けられています。一三番めの特定不能の内在因性睡眠障害には、いまのところ該当する疾患はありません。
このうち、精神生理性不眠症、睡眠状態誤認、むずむず脚症候群、特発性不眠症などは、その障害自体がもともと不眠をひきおこす障害です。ナルコレプシー、反復性退眠症、特発性退眠症、外傷後退眠症は、もともと重度の眠気を伴う障害です。閉塞性睡眠時無呼吸
症候群、中枢性睡眠時無呼吸症候群、中枢性肺胞低換気症候群、周期性四肢運動障害は、不眠もしくは重度の眠気をひきおこす障害です。
体内に原因があるとはいっても、外的要因がからむこともあります。たとえば、外傷後退眠症は頭部の外傷という外的なできごとがなければ出現しなかったはずの障害ですが、この過眠症は中枢神経系にもともとの原因があります。なぜなら、外傷が治っても退眠症が持続するからです。
また、閉塞性睡眠時無呼吸症候群は、飲酒のような外的要因によってもひきおこされます。しかし、呼吸のための空気の通り道である上気道がふさがる(上気道閉塞)という内的要因なしにはこの障害は成りたちません。さらに、この障害を発症させる素質がもともと体内に存在するとみなされます。ですから、内在因性という分類に入ることになります。
ストレスと不眠の悪循環
第一は、「精神生理性不眠症」です。多くの人が体験する不眠症で、ストレスに起因します。ストレスが生体内にさまざまな緊張をひきおこし、ストレス解消のため眠ろうと努力しても眠れなくなり、それがいっそうストレスを助長する、といった悪循環にはまります。
ストレスに対して生体は緊張と興奮で反応します。これは脳(精神)にとって強い覚醒刺激となっていらいらをつのらせるぱかりでなく、首や肩の凝りのように筋肉の緊張が解けなかったり、血管が収縮して血圧が上がったり手足が冷えたりするという身体的な症状もひきおこします。
このような身体的な緊張状態を自覚して、それを過度に気に病むところから、事態はさらにいっそう悪くなり、それが直接睡眠を妨げることになります。眠ろうと頑張れば頑張るほど、興奮がより強まるのです。「眠ろう」というサインが、「眠らせない」という反応に直結するわけです。いわぱ睡眠抑制の条件反射が成立するのです。悲しいことに、ほとんどの場合、こうした個人的な条件づけの要因は当人には自覚できないので、なぜそんな
に眠れないのか、さっぱりわからないのです。
皮肉なことですが、こんな条件反射が成立すると、ふつうなら「眠ろう」というサインと連動する状況や行動が、逆に「眠れない」という連想となってしまいます。そのため、歯を磨いたり、寝室のあかりを消したり、眠れない夜を過ごした寝室に横たわるだけで、条件づけられた覚醒が呼び戻され寝つけなくなってしまうのです。
ですから、「眠ろう」と頑張らなければ眠れるのです。眠ろうと焦りすぎるために不眠におちいっているのですから、「眠ろう」と思わないとすぐ眠れることがあります。たとえば、テレビをみているとき、本を読んでいるとき、車を運転しているときなどです。
そんなわけで、典型的な患者には、正常な人と反対の行動がみられます。一般に、正常な人はいつもとは違う寝室ではよく眠れないので、この現象を専門的に「第一夜効果」と呼びます。ところが、精神生理性不眠症の患者は、検査のためはじめて泊まった睡眠研究室のほうがよく眠れることが多いのです。いつもの寝室や習慣から離れ、押し入れで寝るとか、他所の旅館に泊まるといった場合も同様です。つまり、条件づけとなる状況を避ければ容易に眠れることを意味します。
この不眠症の誘因としては、たとえば、抑うつ状態、痛み、悪い睡眠環境、交代勤務などのさいのちょっとした不眠がきっかけとなることがあります。その誘因が取り除かれたあとでも、ずっと長いあいだ不眠が持続することがあります。持続期間の長さが四週間以下のものを急性、四週間より長いが六ヵ月より短いものを亜急性、六ヵ月以上のものを慢性と呼びます。場合によると、不眠はしだいに発展して″自己増殖″します。つまり、眠りについての心配ごとが、何カ月とか何年もの間にだんだんと強まり、睡眠がすこしずつ″荒廃″し、夜長く眠りたいという欲求ばかりが残り、これが事実上睡眠を妨げているので
す。
つまり、不眠をひきおこす精神的および感情的な問題が以前にあったとしても、これを離れて、患者はみずからの睡眠問題だけにとらわれ頭がいっぱいであるという状態になります。このような強いとらわれのために、眠りが妨げられつづけるのです。こうして、乏しい睡眠が慢性的につづくと、日中の健康感が減少し、気分と気力が落ちこみ、注意、覚醒、意欲、集中力が減退し、疲労や疲れやすさが増加します。治療しないと、精神生理性不眠症は何年も何十年もつづくことすらあります。
アメリカの統計では、不眠症患者全体の約15%が精神生理性不眠症と診断されています。一般人口のなかでの罹病率は不明です。この不眠症は小児期や青年期には稀です。典型的には、若い成人期(二〇代から三〇代)に始まり、しだいに増悪し、成人中期になると治療を必要とするようになります。訴えは女性により多くみられます。

不眠でない不眠症がある

第二は、「睡眠状態誤認」です。仮性不眠症とか睡眠心気症と呼ばれることもあります。
睡眠障害やほかの疾患があるという客観的証拠はないのに、不眠または過度の眠気の訴えのおこる障害です。薬物を入手したいためとか、病気だと認定してほしいために、わざと嘘をついているのではありません。はっきりした精神症状のない人が不眠を訴えるわけですから、信頼できる正直な訴えのようにみえます。典型的には、寝つけない、よく眠れない、一睡もできない、といった訴えです。
ところが、その訴えと脳波や筋電図などの客観的な記録(睡眠ポリグラフ)とのあいだにはいちじるしい不一致があります。つまり、睡眠ポリグラフには正常な睡眠パターンがみられます。寝つくまでの時間(睡眠潜時)は一五分から二〇分で、睡眠は六時間半以上も持続します。また、中途覚醒の回数も正常です。こうした不一致はなぜおこるのでしょうか。
いろいろな説明が試みられていますが、ほんとうのところはよくわかりません。
睡眠中に過度の精神活動があって、覚醒しているという感覚が生じているのかもしれません。なんらかの生理学的な異常があるけれども、現在の記録法では検出できないのかもしれません。患者のなかには、自分が眠った時間の推定がひどく不正確な人がいます。強迫的に意識過剰である人が、自分の睡眠経過について強迫的な考え方をしているのかもしれません。つまり、心気症または妄想なのかもしれません。高齢の患者には、若いころに眠れただけの時間を眠れないという状況から発展してくることがあります。
この障害の経過は不明ですが、不眠の訴えは長くつづくようです。有病串も不明ですが、不眠を訴える患者全体のうち五パーセント以内のようです。この障害は、ふつう成人期初期から中期によくみられ、女性のほうが多いようです。六ヵ月以上も持続する場合に慢性とみなされます。
生涯にわたる原因不明の不眠症
第三は、これといった原因に思い当たるふしもないのに、じゆうぶんな睡眠をとれない状態が生涯にわたりつづく「特発性不眠症」という睡眠障害です。この不眠症は、睡眠と覚醒をつかさどる脳の神経機構の異常によるのではないかと推測されています。
特発性不眠症の患者のなかには、正常な人とくらべて極端に覚醒が多いというだけの人も合まれます。また実際に、脳の神経機構に神経解剖学的、神経生理学的あるいは神経化学的な機能障害や病変が存在するような場合もあります。覚醒機構の活動が過剰であったり、睡眠機構の活動が低下していたりするのです。
ふつう、この不眠症の患者では、慢性的に乏しい睡眠のせいで、日中の健康感が減退し、気分や意欲が損なわれます。そして、集中力が低下し疲労の増大がみられます。睡眠障害の程度が軽度ないし中等度であれば、精神的には正常な健康状態が保たれていますから、慢性的な睡眠不足や疲労に適応して、もはやその問題にあまりこだわらずにすみます。しかし、重度の患者では、日中の機能障害がひどく、しごとをつづける気力を保てなくなります。「救いがない」‐こいった悲観的な感情やあきらめから抑うつ的な症状が生じることもあります。
このほか特発性不眠症患者では、小児期や青年期に読字障害や多動症といった神経症を伴うことがあります。典型的な場合、この不眠症は生まれた時点から始まり、一生にわたってつづき、軽快しないとされます。ただし、小児期には必要最低限の睡眠が実現することもあります。有病率は不明です。
居眠り病ナルコレプシーは遺伝子が支配する
第四は、「ナルコレプシー」です。過度の眠気が特徴であり、ふつう一時間以内の居眠りをくりかえします。典型的には、一〇分から二〇分眠り、さっぱりと目覚めますが、2〜3時間たつと、また眠気を催すというパターンとなります。このとき、情動脱力発作や、レム睡眠にまつわる睡眠麻蝉とか入眠時幻覚を伴います(これらにっいては後述します)。
居眠りをするのは、乗物に乗っているとき、単調な会議で発言する必要のないとき、観劇、音楽会、映画の最中、退屈な講義を聞いているときなど、たいていの人が眠くなるような場面です。努力して注意を集中し「起きていよう」と頑張れば、眠気を我慢できないわけではありません。しかし、毎日くりかえす眠気と闘うのは実際には不可能です。
しかも、ふつうなら眠ってしまうことなど考えられない状況で、突如として耐えられない睡眠発作がおこることも、ナルコレプシーの特徴です。たとえば、試験、商談、食事、歩行、運転、会話などの最中に、急に眠りこんでしまうのです。
情動脱力発作とは、強い感情の変化によって骨格筋の緊張が突然失われてしまう現象です。意識ははっきりしていて、記憶の障害はなく、呼吸も異常がありません。この発作は短く、二〜三秒から数分までで、すみやかにすっかり回復します。
筋肉の緊張が失われる程度はさまざまです。筋肉に力の入らない感じの軽いものから、頭が垂れ下がる、顔が垂れる、顎が落ちる、ことばが口ごもる、膝ががくんとなる、さらには姿勢筋の完全な脱力状態のため床に転がってしまう、などまであります。軽い場合には、他人にはわからないほどです。 情動脱力発作(カタプレキシー)は、大笑い、大喜び、大得意、怒り、驚きなど、ふつう喜びや興奮をひきおこす感情によって誘発されます。これが発生する部位は、体の一部分で
あったり、全身の骨格筋であったりします。腰、手足、頚、口、眼瞼(まぷた)が部分的に侵されるのです。しかし、呼吸筋と眼筋は別です。ときには、強い感情による情動脱力発作がつぎつぎと情動脱力発作を誘発することがあります。この状態は長くつづくことがあり、稀に一時間にもおよびます。情動脱力発作の頻度は個人差が大きく、年に一度あるかないかというほど稀な患者から、一日に数えきれないほど頻発する患者までいます。情動脱力発作をひきおこすような状況を避けることから、頻度を減らせるようになることもあります。
睡眠麻卑とは、いわゆる。金縛り‘の状態で、動いたり口をきいたりするなど、体を動かすことが一過性にまったくできなくなる状態を指します。息もできないという恐怖の体験です。ナルコレプシー患者のほとんどが体験しています。睡眠麻蝉は睡眠と覚醒の移行期にみられる現象で、ふつう一分から数分で回復します。この現象はしばしば入眠時幻覚とともにおこり、このため恐ろしさはいっそう強められます。
入眠時幻覚とは、睡眠開始時におこる鮮明な知覚体験です。ナルコレプシー患者のほとんどが体験しています。不安や恐怖を伴うことが多く、銃で撃たれたり、殴られかかったり、空を飛んだりするような幻覚を体験します。
睡眠麻卑と入眠時幻覚の両者は、ほとんどつねに入眠時のレム期に一致して出現しています。正常な眠りでは、レム睡眠から始まることはなく、浅いノンレム睡眠がまず現れるのですが、ナルコレプシーでは人眠時にレム睡眠が現れるのです。
ナルコレプシー患者は、眠った記憶がないのに、なにも思い出せない時開城があったり、自分で覚えのない行動をしていたりすることがあります。ですから、不適切な行為をしたり、周囲の状況にうまく対応できないことがあります。そのほか、夜中にしばしば覚醒して睡眠がこまぎれになることも多くの患者でみられます。
情動脱力発作、入眠時幻覚、睡眠麻庫は時の経過とともに減ってきますが、日中の過度の眠気は一生つづくようです。過度の眠気はやや改善されることがありますが、これは患者が対応能力を高めたせいなのでしょう。
ナルコレプシーは10代に発症することが多く、14歳ごろに発症のピークがあります。
最初の症状は過度の眠気です。情動脱力発作は同時におこるか、もしくは1〜30年遅れ
て現れます。
ナルコレプシーは、一般人口の0.03〜0.18%にみられると推定されています。ナルコレプシー研究の世界的権威である神経研究所理事長の本多裕博士によると、日本人が世界で最も高い有病率を示します。アメリカ人では0.06〜0.1%というデータがあります。世界で最も低い有病率を示すのは、イスラエルのユダヤ人です。
こんな地域差があるのは、ナルコレプシーが遺伝病であり、特定の遺伝子が発病に関係していて、その発現に民族的な違いがあるためです。
一九九九年に、ナルコレプシーの遺伝に関連して、世界中が注目した大きな発見がありました。’オレキシン(ヒポクレチン)という神経ペプチドがラットやウシの脳から前年に発見され、これが食欲を促進することがわかっていました。驚くべきことに、遺伝子工学の手法でオレキシンを生産させる遺伝子の働きを封じてしまったマウスは、ナルコレプシーの症状を示したのです。オレキシンには、睡眠を抑制し覚醒をふやす作用があることもわかりました。この発見から、ナルコレプシーのみならず睡眠全体を分子レベルで研究する突破口が聞かれたことになります。

過食や性欲尤進をくりかえす過眠症

第五は、耐えがたい眠気が間隔をおいて出現する「反復性過眠症」です。食事とトイレ以外は寝てばかりという状態が、三日から三週間つづきます。この期間には、一日に18〜20時間も眠り、むちゃ食いや性欲充進を伴うことがあります。尿失禁はありません。典型的な場合は、クライネ・レビン症候群と呼ばれる状態です。
これとは逆に、食欲減退を伴ったり、性欲究進を伴わない場合もあります。むりに起こされると、ぼんやりしていたり、不機嫌でいらいらしたり、攻撃的ないし衝動的な行為をしたりすることがあります。見当歳障害、錯乱、幻覚などを伴うこともあります。
こうした傾眠症状が数週間または数カ月かの間隔をおいて現れます。平均して年に二回未満で社会的および職業的な機能にわずかな障害がおこるのが、軽度です。年に二回より多く、社会的および職業的な機能に中程度の障害がおこるのが、中等度です。年に二回より多く、社会的および職業的な機能に重大な障害がおこるのが、重度です。年間にて一回も現れる場合もあります。
このような傾眠期と傾眠期との中間期には、患者は正常に眠り、内科的にも精神医学的にも健康であると考えられています。しかし、傾眠期間中は患者の社会的あるいは職業的な影響は深刻です。あまり知られていない病気ですから、たんなる怠け病がまた出たとみなされ、人権を侵されることさえありうるのです。
反復性過眠症は圧倒的に男性に多く、ふつう青年期初期に発病します。ときにはより遅い年齢や、女性でもみられます。この障害は良性の経過をたどり、数年のうちに軽くなり、自然に治るとされています。病因はよくわかつていませんが、急性の発熱や強い身体的ストレスにより、しばしば誘発されます。稀な病気で、有病串は不明です。
中枢神経系に原因があるらしい過眠症
第六は、「特発性過眠症」です。中枢神経系に原因があると推測される障害であり、正常または長めの夜間睡眠のほかに、日中に長時間にわたる過度の眠気があって、1〜2時間におよぶノンレム睡眠を伴うことがあります。この症状は一生にわたり持続するようです。
前述のナルコレプシーによく似た障害ですが、はっきりした違いがあります。眠気の強さはナルコレプシーよりも弱く、急激に出現するよりもすこしずつ高まる傾向があります。眠りはノンレム睡眠がほとんどで、レム睡眠に関連する情動脱力発作はありません。また、居眠りはナルコレプシーよりも長く、居眠りのあとに爽快感が得られにくいのが特徴です。
このほか、夜間睡眠からの目覚めが悪くて、睡眠酷町と呼ばれる見当歳障害を経験することがあります。自律神経系の機能不全を示す症状が認められることもあり、頭痛、失神、立ちくらみ、めまい、手足の血管の収縮などが生じます。
アメリカでは、眠気を訴えて睡眠クリニックを受診する患者のうち、5〜10%をこの症候群が占めます。ほとんどの場合、10代から20代前半に顕在化します。ナルコレプシーのような遺伝性は認められませんが、患者数はナルコレプシーよりも二〜五倍多いとみられます。
外傷から生じる過眠症
第七は、中枢神経系におよぶ外傷の結果として生じた「外傷後退眠症」です。頭部外傷のせいで、それまでの睡眠パターンががらりと変わるのです。日中にしょっちゆう眠気が生じ、患者はそれに抵抗できることもあれば、できずに眠ってしまうこともあります。夜間の睡眠時間も長くなる傾向があります。
眠気は、頭痛、疲労感、集中困難、記憶障害など外傷後の脳損傷にもとづく症状の1つとして生じます。眠気は受傷直後に最もいちじるしく、数週間から数カ月のあいだに回復してきます。ときには、受傷後の半年から一年半のあいだに、すこしずつ悪くなることもあります。
睡眠時無呼吸症候群は国民病である
第ハは、「睡眠時無呼吸症候群」です。睡眠中の呼吸障害によって覚醒反応がおこるために、睡眠が浅くこまぎれになり、昼間に傾眠状態になることを特徴とする疾患です。そのため、さまざまな影響が健康面でも社会活動面でも生じます。死にいたるほどの重度のものから、熟睡感がなかったり日中すこし眠かったりする軽度のものまで、病状の程度もさ
まざまです。
2000年4月に、虎の門病院の成井博士は、東京の神経研究所附属睡眠呼吸障害クリニックの開設記念講演会で、つぎのように警告しました。彼の講演資料から抜粋して
「睡眠時無呼吸症患者では、日中の傾眠、起床時の頭痛、抑うつ感などが労働や学業に対する意欲を低下させる。学校では学業成績の低下、会社では集中力の減退、記憶障害、日常業務の遂行障害から生産性の低下をきたす。患者は怠け者だと誤解され、うつ病と誤診されることもある。原因がわからず、適切な診断治療がおこなわれないために、家族や友人から孤立する。また、閉塞性睡眠時無呼吸症候群患者は、高血圧、狭心症、心筋梗塞、脳梗塞などの内科的疾患を合併するため、莫大な医療費がかかる。睡眠呼吸障害は、医学的にも社会的にも大きな影響をもつ疾患であるにもかかわらず、日本では睡眠呼吸障害に伴う社会的な問題に関する関心は非常に低い。
睡眠時呼吸障害の日本における頻度は、男性で三・二%、女性で〇・五%と、欧米に比して低率ではない。米国に比べて肥満の頻度がはるかにすくないにもかかわらず、日本人は下顎が後退して小さく、舌が厚い人が多いので、睡眠時無呼吸が存在し重症になることがある。
日本の人ロ1億2500万人のうち、中高年の男性が3000万人いるとして、その3%の90万人と女性の約一〇万人を加算して、すくなくとも、約100万人の睡眠時無呼吸症候群患者がいる。このうち半数が治療の必要な中等症以上の病態にあると考えられるが、現時点で鼻シーパツプ(CPAP、鼻に密着するマスクを介して陽圧の空気を持続的に送り、睡眠時の呼吸を確保する装置)治療を受けている患者総数は、おおよそ6000人である。したがって、約四九万人の患者が、治療を受けられずにいることになる。
しかも、この睡眠障害の診断治療が適切におこなえる施設は、日本では20前後と欧米に比し非常にすくない。また、専門の医師および技師がすくない。専門医の数は、カナダは人ロ3000万人に対して118名、オーストラリアは人ロ1800万人に対し24名、香港は人ロ600万人に対して3名だが、日本は人ロ1億2500万人に対して20名である。完全なトレーニングを受けて、米国の認定資格を得た技師(ポリソムノグラファー)は
二名だけである。」成井博士はまた、つぎのような症例を紹介しました。

「五二才の電車運転士は、重度の睡眠時無呼吸のために運転中に眠くなることがしばしば、ついに信号無視をし、駅を通過したために、勤務停止処分を受けた。一つ間違えば大事故につながるところだった。
二九才の板金工は、高校一年まで学業成績はふつうだったが、無呼吸の出現とともに、日中の傾眠、集中力の低下、学業成績の低下をきたし、就職後は勤務中に眠ってしまい、さらに居眠り運転のために交通事故をおこし、交差点で信号器を大破し、一万人の交通を麻痺させた。
相撲界には、多くの睡眠時無呼吸症候群患者がいる。幕内で活躍していた関取は、体重増加とともに睡眠時無呼吸が増悪し、稽古中にも居眠りをし、闘争意欲もなくなり成績が低下し、十両から幕下へ陥落しかけたが、適切な診断と治療により幕内に復帰した。」
つまり、患者に適切な診断と治療がおこなわれれば、かんたんに病気は治り、重大な社会的損失が予防できるというわけです。
激しいいびきを伴う閉塞性睡眠時無呼吸症候群

睡眠時無呼吸症候群には三種類あります。かつては、ピックウイック症候群とか肥満性低換気症候群と呼ぱれた「閉塞性」、チェーン・ストークス型呼吸と呼ばれた「中枢性」、両者の混在する「混合性」です。後述する乳児睡眠時無呼吸症(166ページ参照)は、このなかには合まれません。
「閉塞性睡眠時無呼吸症候群」は、睡眠中に上気道がくりかえしふさがって、呼吸障害を
ひきおこします。無呼吸は睡眠一時間あたり五回以上出現し、一回につきふつう10〜40秒間つづきますが、稀には数分間におよぶことがあります。
このとき、特徴的な激しいいびきをかきます。短いあえぎも出現します。いびきがあまりにひどいために、そぱで寝る人の睡眠を妨げることがよくあります。しかし、患者はたいてい自分のいびきの激しさには気づいていないことが多いのです。呼吸障害に伴って、のたうつような激しい体動があり、ベッドから落ちることもあります。
無呼吸は、浅いノンレム睡眠(段階一1ニ)とレム睡眠のさいに生じ、深いノンレム睡眠(段階三〜四)に生じることは稀です。患者によっては、レム睡眠のさいにのみ無呼吸が生じます。
症状の進行に伴って夜間の排尿回数が増加することがあります。ひどく喉が渇くので、夜中や起床時に飲物を摂取することがよくあります。目覚めたときには、爽快感がなく、見当識障害、ふらふらした感じ、頭がはっきりしない感じ、運動失調を訴えるのが特徴的です。また、覚醒したときしばしば頭痛があらて頭全体が重苦しく、それが1〜2時間もつづくことがあります。
日中の過度の眠気は、典型的な症状です。眠気は、座って読書したり、テレビをみているときのような、くつろいだ状況で最も激しくなります。退屈な会議に出席したり、映画、演劇、コンサートのさいにも、眠気を我慢しきれないことがあります。ひどいときは、活発な会話や食事や車の運転の最中ですら、眠りこんでしまいます。睡眠潜時反復検査という検査法で調べると、寝つくまでの時間(睡眠潜時)が平均して10分未満となり、しばしば五分未満になります。ちなみに、正常者では10〜20分です。
このような眠気のために、日中の活動能力が低下して、失職したり、事故や怪我にあったり、夫婦間や家庭内の不和や、学業成績の低下を招いたりすることになります。性欲の減退や勃起能力の低下も生じ、稀ですがインポテンスを訴える患者もいます。
しかし、眠気の強さにはかなりの幅があり、呼吸障害のほうは比較的軽症なのに眠気はひどい患者がいる丁万で、重症の閉塞性睡眠時無呼吸があるのに‘ごく軽い眠気しか感じない患者もいます。なかには、「自分はいつでもどこでも眠れる」と自慢して、病気にはまったく無頓着な患者もいます。ナルコレプシーと異なる点は、脱力発作がみられないこと、激しい特徴的ないびきをかくことです。 子どもでは、成人に比べて自覚症状や臨床的徴候がとらえにくく、特徴的ないびきがみ
られないこともあります。激しい体動を伴う覚醒反応を示したり、妙な姿勢で寝たりすることがあれば要注意です。扁桃肥大のある子どもでは、ロ呼吸を示すことがあります。夜尿症はよくみられる症状で、いったん夜間の遺尿をしなくなっていた子どもが夜尿症を再発するようになったら、睡眠時無呼吸症候群を疑う必要があります。おとなのように強い眠気がひんぱんに出現することは、あまりありません。
閉塞性睡眠時無呼吸症候群は、肥満体の中年男性に最もよく出現します。そして、体重の増加に伴って症状が悪化します。発症後に体重が減ると症状が軽くなることがあります。肥満ではない標準以下の体重なのに閉塞性睡眠時無呼吸症候群がおこるなら、前述のように、顎が小さいとか、舌が厚いとか、咽頭や扁桃の肥大があるなどの構造上の異常によって上気道がふさがりやすいのかもしれません。
発症率は一般人口の1〜2パーセントと考えられています。幼児から老人までのどの年齢層でも発症しますが、多くは四〇〜六〇歳です。女性では閉経後に発症しやすいとされます。成人での男女比はハ対一ないし九対一です。思春期前の子どもについては、性差はないようです。

中枢性の睡眠時無呼吸症候群ではいびきはひどくない
第九は、大脳半球、脳幹、脊髄など中枢神経系の病変のために、脳内にある呼吸中枢の障害が生じるために発症する「中枢性睡眠時無呼吸症候群」です。睡眠中に呼吸運動が停止したり弱ったりすることが特徴です。肺から脳への情報のやりとりが正常でないせいだと考えられています。脳血管障害や心疾患のある患者に発症しやすい傾向があります。
この疾患では、一夜のうちに数回の中途覚醒による不眠や、強い眠気が生じます。無呼吸が生じると、息を吸おうとあえいだり、うなったりします。そのため、ひんぱんに体動がおこります。いびきをかくことがありますが、あまり激しいものではありません。当人が窒息感を自覚することもあります。しかし、当人が症状を自覚していないことがあり、異常に気づいて心配した同室者に勧められて受診することになります。
中枢型の無呼吸は、睡眠から覚醒へ移行するさいに最も生じやすくなります。また、あおむけに寝ていると生じやすくなります。鎮静剤やアルコールを服用すると、無呼吸の回数はかなり変動を示します。
この疾患に伴って、日中の疲労感、倦忿怒や、眠気がよくみられます。強い眠気のために、記憶や認知の障害が生じることがあります。中枢型無呼吸とそれによる睡眠障害の重症度にはかなりの幅があり、脳血管障害や心不全などの条件によってかなり左右されます。体重が増加すると、病状も悪くなることがあります。
加齢とともに発症しやすくなります。成人では女性より男性に多くみられるようですが、閉経後の年齢では大差はありません。
ほかにも、呼吸障害が睡眠障害をひきおこす
第10は、「中枢性肺胞低換気症候群」です。睡眠時無呼吸症候群とよく似た睡眠障害です。肺機能そのものには障害がないのに、眠ると動脈血の酸素量が低くなってしまうのが特徴です。睡眠中に一回ごとの換気量が減少し、高炭酸ガス血症や低酸素血症が生じるのです。低換気状態にひきつづいて覚醒反応が生じ、そのために睡眠段階が浅くなったり、覚醒したりします。このような睡眠障害のために不眠が生じることがありますし、覚醒反応と中途覚醒が非常に多いと日中の過眠をひきおこすことがあります。
レム睡眠中には、低換気がひどくなって、低酸素血症と高炭酸ガス血症が悪化します。覚醒時に頭痛が生じることもあります。不整脈が呼吸の障害に伴って生じることがあります。酸素飽和度の低下は、閉塞性や中枢性の睡眠時無呼吸症候群の患者より長くつづくことが多く、肺高血圧症や心不全を伴うことがあります。
経過はさまざまですが、ゆっくりと進行することが多く、最後には重度の呼吸障害や心不全におちいり、死にいたることがあります。アルコール、抗不安薬や睡眠薬のような中枢神経抑制剤は、この病気を誘発したり悪くさせたりします。
有病率は不明ですが、きわめて稀な病気です。特発性のものは、青年期や思春期から若年成人、とくに男性に多く発症します。後天性のものは、どの年代でも発症します。

睡眠中に手足が勝手に動く睡眠障害

第11は、「周期性四肢運動障害」です。睡眠中に主として下肢、ときには上肢の筋肉にくりかえし異常運動が生じて、不完全な覚醒反応や中途覚醒が生じ、睡眠が中断される疾患です。とはいえ、当人は四肢の異常運動やひんぱんな睡眠の中断にあまり気づかないようです。しかし、睡眠が中断されて不安定となるため、覚醒したときに爽快感がなく、不眠または過眠を訴えることもあります。また、異常運動のためにすぐ側で寝ている人の睡眠が妨げられることがあります。異常運動の回数は、日によって非常にぱらつきます。
周期性四肢運動は、ノンレム睡眠の段階一に入るとすぐに出現し始め、段階二でひんぱんに出現します。しかし、段階三〜四になると減少し、レム睡眠では出現しないのがふつうです。重症の患者では、覚醒時にも異常運動がみられることがあります。
原因はよくわかっていませんが、中枢神経を介してなんらかの情報が発信され、周期的な四肢の運動とそれに関連する睡眠障害の両方をひきおこしている可能性があります。周期的な下肢の運動が、ナルコレプシーや閉塞性睡眠時無呼吸症候群に合併して出現することがあります。ほかの種々の疾病によって誘発されたり、それらに随伴して出現することもあります。たとえば、慢性尿毒症の患者にみられる場合です。睡眠剤の服用をやめることでひきおこされたり、増悪する場合もあります。
子どもには稀で、加齢に伴って増加する傾向にあり、六〇歳以上の患者での有病串は34%に達します。不眠患者の1〜15%にみられるとの報告があります。
大多数は中年期に発症します。自然な経過については不明ですが、加齢に伴って有病串が増加するようです。家族性に発症するとされます。

下肢がむずむずして眠れない疾患
第二一は、「むずむず脚症候群」です。入眠前に、下肢の奥深くに耐えがたい異常な感覚(痛い、不快な、虫が這う、むずむずする、ひっぱる、ちくちくする、ひりひりする、むずがゆい、など)があるために、下肢を動かすので、入眠が妨げられる疾患です。下肢を動かしさえすれば、この異常な感覚は軽減ないし消失しますが、運動を止めると再開するのが大きな特徴です。
症状の持続時間は数分間から数時間におよびますが、たとえ非常に重症の患者でも、数時間程度は眠れるのがふつうです。
この異常感覚は、睡眠直前に安静にしているときだけ生じるのが典型的な症状です。しかし、起きているときでも、車を運転して長時間座っているような場合に生じることがあります。ふつう、足の関節と膝のあいだに生じますが、大腿部や足、稀に腕にも生じることがあります。たいてい体の両側に生じるのですが、症状の程度や頻度に左右差があることもあり、稀には片側だけのこともあります。
むずむず脚症候群は、妊娠、貧血、尿毒症に伴って生じる場合があります。妊娠に伴う場合は、ふつう第二〇週を過ぎてからです。自然な経過としては、症状が軽くなったり重くなったりをくりかえしながら、長年にわたって持続します。重症例では、時間がたつにつれて改善していくことがあります。
素因としては、妊娠、貧血、カフェイン中毒、関節リウマチがあげられます。正確ではありませんが、症状は正常人の5〜15%、妊婦の11%、尿毒症患者の15一20%、関節リウマチ患者の30%に認められています。六五歳以上では、人口の約5%に発現するという報告もあります。
発症のピークは、中年期で、女性により多いようです。かなり高齢になってから初発することがあります。家族性に発症したという報告があり、遺伝する可能性があります。

睡眠薬・精神安定剤デパスやエスゾピクロンの通販サイト

-睡眠
-

執筆者:


comment

関連記事

睡眠と夢

睡眠と夢.2

目次1 アルフレッド・モリーと「ギロチンの夢」2 外界刺激と夢の関係3 記憶に残る夢、忘れ去られる夢4 心の傷が呼び覚ます悪夢5 夢内容と目の動き5.1 この記事を見た人はこんな記事も見ています 睡眠 …

デパス1mg

ベンゾジアゼピン系睡眠薬とは?

目次1 ベンゾジアゼピン系睡眠薬の作用メカニズム2 非ベンゾジアゼピン系睡眠薬の作用3 ベンゾジアゼピン系睡眠薬の作用時間と副作用4 作用時間による睡眠薬の分類5 ベンゾジアゼピン系睡眠薬の副作用5. …

睡眠

睡眠上手になるノウハウ

目次1 ふだんの姿勢が悪いと眠れなくなる2 肩こり、目の疲れ、イライラに効く「仕事しながら」体操3 翌日眠くなったときは、必殺技居眠りで乗り切る4 よく眠れる野菜はレタス、しそ、ネギ、ゆり根、みつば、 …

居眠り

5分間睡眠は脳に良い

目次1 『居眠り』は、脳が休息を欲求することによって起こる自然な現象2 徹夜の後眠くなってしまったらどうすればいいでしょうか?3 『居眠り』は、脳の活動を活性化しアイデアを生む4 「居眠り』は、右脳思 …

睡眠障害の症状

さまざまな睡眠障害

目次1 不眠症を診断する2 「先生、一睡もできないんです」3 ストレスが引き起こす不眠症4 湾岸戦争と不眠症5 慢性的な不眠症5.1 この記事を見た人はこんな記事も見ています さまざまな睡眠障害 不眠 …