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さまざまな睡眠障害とその解消法

投稿日:2015年12月11日 更新日:

さまざまな睡眠障害とその解消法

ストレスによって生じる不眠(適応性睡眠障害)

いらいらしてよく眠れない

「睡眠障害」とひとことでいっても、その背後にはさまざまな原因が潜んでいます。症状も、眠れない、眠くて困る、ふつうの時間帯に眠れない、起きられないなどさまざまでしょう。

このページでは、ふだん多く見られる、慢性化した睡眠障害を中心に、話を進めたいと思います。
日常生活の中のいらいらは、眠りを妨げます。ストレス、心的外傷(PTSD:外傷性ストレス障害)、葛藤、環境の変化などは、ともすれば感情の興奮を強め、不眠を招くのです。ただし、これらの不眠は一過性のことが多く、その原因となっている物事が解決すれば、たいていは消失してしまいます。
ここで取り上げる睡眠障害は、寝つきが悪く、ようやく眠っても眠りが浅く、しかも、朝早く目が覚めてしまうというタイプの「不眠」です。その結果、日中の眠気や集中力低下などの症状が見られるのです。
ここで見逃せないのは、一過性のストレス性不眠が、ときに慢性不眠へ移行し、身体化したり、片頭痛などを悪化させたりすることがある、という点です。

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緊張が眠りを妨げる

ストレスは、脳内の記憶・情動回路において、脳内化学物質(ノルエピネフリンなど)を介して覚醒中枢を興奮させる働きをします。また、視床下部から分泌されるCRH(副腎皮質刺激ホルモン放出ホルモン)の調節も狂わせてしまいます。副腎皮質ホルモンは、主に活発な活動を促すものです。それが狂ってしまうのです。たとえば夜間のとんでもない時間に、副腎皮質ホルモン(コルチゾール)が分泌されてしまうかもしれません。分泌されると覚醒しやすくなり、睡眠が妨げられてしまうのです。

自覚症状があるか
次のような症状が、短い場合には7日以内、長くて3ヵ月くらい続くようであれば、ストレス性睡眠障害と診断します。
⑴夜眠れない、または日中に眠たくてしかたがない、と訴える。
⑵不眠と関連があると思われるストレッサー(ストレスの原因となること)と、時間的に対応している。
⑶そのストレスが解消されれば、不眠も改善されることが期待される。
⑷随伴症状(以下の症状)が、一つまたはそれ以上見られる。
・疲労、無気力、だるさなど
・過度に長い就床時間
・不安、焦燥感など
・からだの症状、目の痛み、頭痛など
・悲しみ、または抑うつ気分

規則正しい生活リズムにもどす

これはストレスに反応して起こっている不眠です。いわばからだの自然な反応と考えていいのです。つまり、その分、長くは続かないものであると割り切ればいいのです。
そして、不眠からくるさまざまなつらさを受けとめながら、睡眠にまつわる生活のリズムや環境を再構築していくのです。たとえば、
・眠れなくても就床時刻と起床時刻は守る。
・起きたらすぐに部屋のカーテンを開けて朝の光を室内に入れるようにし、光を浴びて朝の支度をするようにする。
・寝る前のアルコールは控える。
・日中の仮眠は少なくする。仮眠しても20分以内にする。
日中の仮眠のとりすぎは、寝つきを悪くし、さらに睡眠覚醒リズムの乱れを呼び、不眠を悪化させるということを説明し、本人の生活習慣の改善をもとめるのです。
以上のことを伝えながら、それでもなお不安や焦燥感が強い人には、とりあえず眠れるように、睡眠薬を使うこともあります。
薬の一般名(かっこ内は商品名)は、ゾルピデム(マイスリー)、トリアゾラム(ハルシオン)、ゾピクロン(アモバン)、エチゾラム(デパス)、プロチゾラム(レンドルミン)、ロルメタゼパム(ロラメット、エバミール)、塩酸リルマザホン(リスミー)などです。
これらの薬は、すべて医師の処方が必要です。作用は体内での代謝時間が短くて、翌日に持ち越さないため使いやすくなっています。ただし人によっては眠気が残ることもあるので注意してください。

ストレスによるリズムの乱れへの対応

ストレスによる睡眠障害は、単に心理的な緊張、不安だけが原因となるのではありません。ストレスはホルモンの分泌に影響を与え、生体リズムにも障害を起こしていると考えられています。
したがって、対応策としては、まず「ストレスによるリズムの乱れを防ぐ」ことが基本となります。そのためには、生活環境の再調整を試みることです。では、ストレスチェックをしてみましょう。
眠れなくなったころに、何か生活上の変化はなかったかどうか、仕事上の悩み、家庭問題、人生上の悩みごとなどが起こっていなかったかどうかを思い出してみてください。思い当たることがあれば、それらが少しでも軽くなるように何らかの手を打つのです。
ちなみにストレスは一人で抱え込まず、親しい人に心を開いて話を間いてもらうことです。ストレスの解消には、非常に有効な手段です。
次に、しばらくは日常生活を規則的に送るように努めます。
一日のうち、少なくとも20分は戸外に出て、日光浴をするようにしてください。とりわけ朝の日光浴は、睡眠覚醒リズムを規則的に調整する効果があります。同様に、午後から夕方にかけての運動も効果的です。
さらに、自分本来のリズムに合った生活をするように心がけます。
たとえば、朝型の人が夜遅い生活になっていたら、改めましょう。逆に夜型の人がかなり無理な早朝の仕事を続けているとしたら、時差出動にしてもらうのも一つの方法でしょう。

自分がいちばん活動的になれる時間帯に、仕事のピークをもって行くように工夫するのです。もちろん、食事や睡眠時間も規則的にとるよう心がけてください。
繰り返しいいますが、ここでは、規則的な生活習慣をつくりあげることが最大の目的です。まず「判で押したような」生活を築いてみてください。

一般的な対応策としては、深呼吸から、弛緩法(後述)、瞑想法、自律訓練法(自己暗示を段階的に行い、リラックスした心身を得る方法)までいくつかの方法があります。
こうしたなかから自分に合ったものを選べばいいのです。
薬物に頼る方法から、生活を調整したり、弛緩法を取り入れたりして、徐々に改善していく方法などさまざまな方法があるわけですが、いずれにしても、「何としても寝てやろう」などと無理な予定は立てず、カッカすることなくマイペース、ユックリズムでいくことが肝要です。
申し添えておきますが、弛緩法や自律訓練法などをはじめるにあたっては、専門家の助言を受けるべきでしょう。素人判断は避け、安心して取り組みたいものです。
次に睡眠障害である不眠症が慢性化した場合について述べます。

眠ることにこだわりすぎて眠れない(精神生理性睡眠障害)

「眠れない」と感じる夜が延々と続く
不眠症が慢性化すると、ふつうの生活をしているのに、眠れない日々が続くようになります。そのため「翌日の調子が悪い」、「集中できない」、「作業の能率が低下する」などの不満、不安が特徴的に見られる不眠です。
ときとして、その訴え方には少しオーバーな表現も見受けられます。
「実はここのところ10日間、一睡もしていない」
「日中の仕事が手につかない」
「このままでは頭が変になってしまう」
「命に関わるようで怖い」
など。
たしかに本人にとっては深刻な問題に違いありません。しかし、付き添いの家人にそれとなく尋ねると、「いびきをかいて寝ている」とか、「日中テレビを見ながらうたた寝をしていた」などの情報が得られることも少なくありません。ところが本人はそれを強く否定し、眠れぬ夜のつらさを訴え続けるのです。

眠らなければいけないというあせりが逆効果
何とか眠ろうと、あせったり、力んだりするために緊張が強くなり、かえって眠りにくくなっているのです。
誰にでも眠れない夜はあるものです。
気持ちが高ぶって、眠れないまま朝を迎えた経験のない人はいないのではないでしょうか。人間、生きていれば誰にでもあることでしょう。それでもほとんどの人は、朝、そのまま起きて、日中は眠いのをガマンし、その分だけその夜はぐっすり眠って、一時の不眠を解消しているのです。
しかし、性格的に几帳面で神経質な人は、誰にでも起こりうる日常の不眠を必要以上に気に留め、苦にしてしまうのです。眠れなかった夜の苦しさと、翌朝の気分の悪さをことさら問題視し、何とかして眠ろうとこだわり、あせるのです。
「今夜こそ眠ってやろう」とケンカ腰でベッドに入るために、緊張と不安で眠りが不安定になってしまうのです。
こうした蓄積がストレスとなって、身体へも影響を及ぼします。
交感神経が緊張しやすくなり、ますます眠りにくくなるという悪循環に陥ってしまうのです。つまり、眠りへの過度のこだわりが身体化して、それが眠りを妨げ、さらに眠りにこだわってしまうというわけです。

ですから、眠ることを意識しない状態、たとえば日中、家でテレビを見ているときなどは、いつのまにかうとうとしていることがあります。日中、外出もせず部屋でごろごろしていれば、身体は疲れず、夜、いっそう寝にくくなる、ぼんやりリズムになってしまうのです。
このタイプの不眠は、成人中期の女性に多く見られます。

判断のポイントは身体の変調

このタイプの睡眠障害では、次のような点が留意されます。
⑴一ヵ月以上持続する不眠と、日中の機能低下の訴えがある。
⑵毎日、眠れないことを苦にして、あせりすぎている。
⑶不安、緊張が身体に変化をもたらし、いらいらや筋肉の緊張、血管収縮を起こすようになっている。
⑷その緊張状態が、さらに眠りにくい状態をつくるという悪循環を招いている。
⑸不眠の他には、これといった心理的、社会的なストレスが見つからない。

眠れなくてもかまわない
まず、専門の睡眠外来で相談し、睡眠脳波をとってもらいましょう。
睡眠記録をとって、睡眠呼吸障害や眠りを妨げるような他の病気がないかを調べます。
その心配がなければ、精神生理性不眠(神経性不眠)が疑われます。
睡眠ポリグラフで見ると、患者さんの多くは、いくぶんか目覚めやすい傾向にあるものの、実はよく眠っていることがわかります。
翌朝、医師から「睡眠そのものにはそれほど異常がありませんよ」といわれただけで、安心して治ってしまう人もいるほどです。

健常者・神経性不眠症者及びうつ病者の脳波的睡眠経過図と主観的睡眠評価

健常者・神経性不眠症者及びうつ病者の脳波的睡眠経過図と主観的睡眠評価

 

図8は、精神医学総合研究所精神生理学研究室の遠藤四郎先生が、健常者と神経性不眠者のそれぞれで、一夜の睡眠脳波と翌朝の自覚的評価を比較したものです。上側は客観的な睡眠、下側は自覚的な眠りの評価です。評価の破線は日頃の睡眠の評価で、実線は脳波検査翌日の睡眠評価を示しています。神経性不眠の人は、実はよく眠っているのに、自分では評価が厳しいことがわかります。
次のステップとしては、睡眠に対する正しい知識と理解をもっていただきます。
眠らないでいれば大事にいたるのではないか、死んでしまうのではないかという心配は、まったく必要ありません。これまでの睡眠研究が示すように、「眠らないとどうにかなってしまう」ということは、まずありえないのです。そのうち眠くなるときが訪れて、結局は「眠ってしまう」だけのことなのです。
眠ったような気がしなくても、なんとか日常生活ができればそれでよいではありませんか。多少は心身に不調を感じても、「眠りは足りている」と思うことです。眠りは天から授かっただけで十分、後は身体のほうで調節してくれるだろうと、気楽に考えることです。
人間の眠りへの欲求は、私たちが考える以上に強いものです。眠いときはどうにもならないもの、という体験を思い出し、眠くもないのにむりやり眠ろうとしないことです。
先にもふれましたが、それでも不安が強い場合には、やむをえず抗不安薬や睡眠薬を使うこともあります。
ただ一般的な傾向として、精神生理性不眠症の人は、からだへの悪影響を警戒するのか、せっかく睡眠薬を処方しても服用してくれないことが少なくありません。現在の睡眠薬は安全で、副作用も少なくなっています。決められた範囲内の量なら何の問題もありません。薬については、薬の性質や飲み方をよく間いて、納得がいくまで遠慮なく質問をしましょう。
睡眠薬としては、体内での半減期の短いベンゾジアゼピン誘導体(トリアゾラム、ブロチゾラム、ロルメタゼパム、エスタゾラム、フルニトラゼパム、塩酸フルラゼパム、クアゼパムなど)、非ベンゾジアゼピン系誘導体(ゾルピデム、ゾピクロン)が用いられます。また、いったん睡眠薬を飲みはじめたら、適当な時期に少しずつ減らすとか、週末に薬の休日(ドラッグホリデイ)を設けると効果的です。これも医師や薬剤師としっかり相談してください。
なお、睡眠導入剤については、あとで詳しく説明します。

【症例】夫の単身赴任を機に不眠生活へ(53歳女性)
Aさんは、夫が福岡に単身赴任してから、どこか落ち着かない日々を送っていました。
いままで夫に相談してやっていたことも、一人で決めなければなりません。そのうち、どうも寝つきが悪いことに気がつきます。何か病気があるのではないかと心配にな
り、かかりつけの先生に診てもらいました。しかし、内科的にはどこも悪いところはないということです。
Aさんは、寝つきをよくするという薬をもらってきました。ところが薬の副作用が心配で、また、薬に安易に頼ってはまったのです。
いけないと思い込み、1〜2回飲んだだけで止めてし
それでますます眠れなくなり、いろいろ努力をしてみたものの、どうしても眠れなくなってしまったのです。
つらいのは夜ばかりではありません。昼も苦痛です。日中は頭がポーツとし、だるく、仕事も手につきません。もう考えることは「眠れない」ということでいっぱいです。
Aさんは毎晩、福岡の夫に電話を入れました。電話は、やはり「眠れない」という話ばかりです。最初はいっしょに心配してくれた夫も、いい加減うんざりし、電話の応対もおざなりになっていきました。Aさんは、とうとう誰に相談していいかわからなくなり、睡眠外来にやってきたのです。
診察の結果、Aさんの性格は、内向的、気にしやすい、取り越し苦労、負けず嫌いで完全欲が強く、心気的(心配症)で自己保存欲が強いなどの傾向があることがわかりました。
Aさんは、何事もきちんとこなさなければ気がすまない性格。要求水準も高く、何をしても不全感をもちやすく、いつも「うまくいかなかったらどうしよう」という不安に
つきまとわれていたのです。
困難な状態に直面すると、事態の具体的な処理よりも、自分の心身の状態をベストにしておこうと、注意が自分に向いてしまう。そのため、ささいな身体的不調も気になっ
て仕方がありません。
たとえば、よく眠れなかったと思えば「身体の調子がよくない」「仕事にも影響する」と怖れ、睡眠に注意を向けます。眠りに対し、必要以上に強い関心と欲求が生じ、「眠れなかったらどうしよう」という予期不安に襲われてあせり、あせるがゆえになお眠れなくなってしまうという悪循環に陥っていたのです。
Aさんは、この悪循環の中で、ますます睡眠に執着し、とうとう不眠恐怖にまで発展してしまったというわけです。
Aさんの睡眠ポリグラフをとりました。結果は、「比較的よく眠っている」でした。
Aさんに、「眠れなかったら『おかしくなる』のではなく、必ず眠くなるときがきて、いつの間にか眠ってしまいます」と伝え、心の負担を軽くしてもらうよう心がけまし
た。
それでもAさんの不安、緊張が相当強かったため、一時的に薬物を使用すると告げ、超短時間作用型の睡眠薬を処方しました。
一方で、睡眠衛生の指導を行い、日中、何もしない半病人のような生活態度を改善するように計画を立て、午後遅くには散歩や軽い運動をするようにすすめました。その結果、約二週間で落ち着きを取りもどし、不眠の訴えも少なくなったのです。

睡眠薬に依存して眠れない(薬物依存性睡眠障害)

睡眠薬の常用者が注意すること
睡眠薬を常用していると、その薬を急に中止したとき、不眠や強い不安症状に襲われることがあります。ひどいときには意識障害(せん妄)が起こることもあるため、注意が必要です。
症例としてはそれほど多いものではありませんが、私たちを眠りに導いてくれる薬も、使い方によっては不眠の原因になることを忘れてはなりません。
睡眠薬や抗不安薬は、長く連用しているうちにどうしても依存を生じます。
以前よく使われていたバルビツール酸系のフェノバルビタール(商品名フェノバール)、アモバルビタール(商品名イソミタールなど)などの睡眠薬では、身体が薬に対して耐性をもってしまうため、効かなくなると睡眠薬の量を増やしてしまうという危険がありました。
しかし、現代の睡眠薬は、改善され耐性が起きにくくなっています。つまり、ふつうに処方される量(常用量)で、治療を続けることができるのです。
ところが丁年以上も薬を飲み続けていると、ひそかに薬への依存がはじまります。そして、そろそろ薬を止めようと思い、急に服用を中止すると、不眠や不安、寝人りばなの幻覚様体験などが起こるのです。
驚いた本人は不眠症がさらに悪化したと思い込み、また薬を飲みはじめてしまうというわけです。
この現象は、薬の服用を一挙に止めたために起こった「離脱(禁断)症状」といわれるものです。離脱症状は、薬を6ヵ月から一年以上飲み続けている人、数種類の睡眠薬を飲んでいる人、過去にベンゾジアゼピン系薬物を使っていたことのある人に起こりやすいといわれています。
不安に襲われたり、悪夢のような体験をしたりするのは、反跳(反動)性不眠と呼ばれる、以前より強い不眠が起こるからです。睡眠薬によって、長い間、不自然な眠りが続いていた状態から急に薬が中止されると、それまで圧迫されていたレム睡眠などが、反動的に出現するのでしょう。それも寝入りばなに現れるため、幻覚に似た体験をするのだと考えられています。
もっともこれは、薬の止め方に問題があるのであって、睡眠薬そのものの効用を否定するものではありません。必要なときは、処方された睡眠薬をきちんと飲んで眠る。それもまた大切なことなのです。

3週間以上の連用は疑ってかかる
⑴不眠、または過度の日中の眠気を訴える。
⑵少なくとも3週間以上は、ほとんど毎日睡眠薬を服用している。
⑶睡眠薬を止めると、これまでの睡眠障害は悪化し、もっと深刻な状態になる。

これらの事実が認められれば、依存性があるために眠れない状態と判断されます。
ところで、なぜこのような依存が起こるのでしょう。
まず、病気で入院中に睡眠薬を服用し、退院してからもそのまま続けているケースが考えられます。あるいは一過性の不眠で睡眠薬を処方され、不眠が消失しても睡眠薬の処方が続けられているのかもしれません。いずれにしても、薬の常用によって睡眠内容に変化が起こり、中止すると睡眠障害や離脱症状を起こすため、その薬を手離せなくなってしまったという例が多いのです。
なかには薬が効かないと思い込み、病院を転々として薬をもらい、数種類の睡眠薬を合計10錠くらい飲んでいる患者さんもいます。ちなみに、その患者さんは、睡眠薬を不眠のためだけに使用していて、睡眠薬を他の目的に使用し、歯止めがかからなくなる飲み方の「乱用」ではありませんでした。それでも、危険なことに変わりはありません。どうしても複数の医師に診てもらいたいという人は、他で処方された薬や処置について、きちんと医師に伝えなければなりません。

徐々に減らす
長期にわたって睡眠薬を服用している場合には、服用を中止したときの反動で起こる不眠について、知っておく必要があります。
それまでの常用薬剤を、一気にすべて中止するのは、非常に危険です。使用薬は、時間をかけて少しずつ減らしていくべきです。そして、飲む時間の間隔をあけ、回数を減らしていくようにします。たとえば「週末は薬の休日」と決めるように。
それでも、中断による不安や緊張が強く、せん妄などを起こしそうなら、医師は血中半減期の長いベンゾジアゼピン系睡眠薬か、抗精神病薬に代え、様子を見ながら減らしていくでしょう。

【症例】少しずつ弱い薬に代えて、依存から脱却(54歳男性)
Bさんは数年来、原因不明の不眠が続いていました。かかりつけの医師から、ベンゾジアゼピン系睡眠薬1〜2錠の投与を受けていましたが、最近は薬がないと不安で眠れ
ないといいます。
寝つきが悪く、少しうつらうつらしても夢が多く、不安で目覚めてしまうのだそうです。そのせいか、この1ヶ月ぐらいは薬が増えて、2〜3錠は飲まないと眠れなくなっ
てしまいました。睡眠薬依存になっているのではないかと不安になり、受診したというわけです。
Bさんの場合、睡眠障害以外に心身の所見は見当たりません。ただ睡眠薬依存の疑いがあるため、急激に薬剤を中断すると離脱症状を引き起こす恐れがあります。日中の不安も強いことから、もう少し効果が長続きする(半減期の長い)薬剤を処方することにしました。
また家族には、夜間の睡眠状況と、日中のふらつきなどに十分注意するように伝えました。
その後、Bさんは何度か、以前の薬を欲しがったものの、何とか新しい薬に代えることができ、現在では、さらに短半減期の薬剤に代え、少しずつ薬への依存を減らせるようになりました。

【症例】 一ヵ月に一種類ずつ薬を「封印」していった (50歳女性)
Cさんが眠れなくなったのは42歳のころ。子供の不登校がきっかけでした。医師から睡眠薬をもらい、服用をはじめました。
ところが「薬が合わない」、「効果が不十分」などの理由で、病院をいくつも替えたため、結局、中途半端な治療を続ける結果になってしまったのです。7年くらい経過したころ、睡眠薬は一日6種類、量は10錠以上という状態になっていました。ちょうどそのころから、「日中の眠気」、「もの忘れ」、「理解力低下」、「口のもつれ」、
「手先のふるえ」、「足のつまずき」などが起こるようになりました。多量の睡眠薬を飲んでいることが負担になり、薬を止めようとしても、それではまったく眠れません。止めたくても止められない。「日中の吐き気」、「筋肉の痛み」、「いらいら」、「怒りっぽくなる」など、状態は悪化するばかりです。
Cさんは、薬がなくても何とかうつらうつらできたといいます。しかし、そのときは悪夢か幻覚のような体験をし、かえって不安が高まるため、結局また薬に手を出してし
まう、その繰り返しだったのです。
この状態を見かねた知人が、Cさんに睡眠障害専門外来を紹介しました。診察の結果、Cさんは「薬物依存性睡眠障害」と診断されました。しかし、いきなりこれだけの薬を止めさせたのでは、反動性の不眠(反跳性不眠)などの離脱症状が起こりかねず、非常に危険です。そこで時間をかけて、一ヵ月に一回、一種類ずつ薬を抜いていくという方法で様子を見ることにしました。
最初はうとうとした感じでよく眠れなかったようですが、二種類の睡眠薬を抜いたころから、朝、目覚めたとき「頭が動くように感じられる」とか、「空が晴れたような感
じになった」と感じられるように変化したのです。
本人はこれを「薬の封印」といい、自分の手で薬を処分していくことができるようになったのです。半年後、ほとんどの薬は封印され、Cさんは本来の睡眠を取りもどすことができるようになりました。

眠っているとき、呼吸が止まるため眠れない(閉塞性睡眠呼吸障害)

無呼吸を繰り返す
閉塞性(へいそくせい)睡眠呼吸障害は、眠っている間に無呼吸を繰り返す病態です。
睡眠中に呼吸が止まるということは、呼吸を起こす中枢がおかしくなる「中枢型睡眠呼吸障害」か、呼吸の通る道がふさがれて無呼吸になる「閉塞性睡眠呼吸障害」などが考えられます。
しかし、ふだん最も多く見られるのは上気道が狭くなって起こる「閉塞性睡眠時無呼吸症候群」といわれるものです。ここでは、閉塞性睡眠時無呼吸にしぼって話を進めたいと思います。
この症状の患者さんが実際に眠っているときの呼吸を記録してみますと、胸やお腹は呼吸しようと動いているのに、鼻や口には呼吸が見られません。横隔膜(おうかくまく)は動き、やはり呼吸しようと努力しているのに、上気道の狭窄(きょうさく)あるいは閉塞で、呼吸がしにくい状態になっているのです。
呼吸が止まれば、しだいに息苦しくなります。何とか呼吸は再開されるものの、その際には眠りが浅くなり、ときには目覚めてしまいます。
睡眠中に呼吸が止まっては再開するということを、多い人では一晩に30回以上も繰り返します。眠っている間に一回の無呼吸で呼吸が止まる時間は、通常20〜30秒(ときには100秒)くらいです。しかし、短時間でも呼吸が止まり、それを繰り返せば同じようなことが起こります。これでは眠りが損なわれるうえ、さまざまな障害が起こっても仕方ありません。
現在、閉塞性睡眠時無呼吸症候群の重大な問題点としては、
⑴日中の過度の眠気
⑵血液の酸素不足
の二点が考えられています。
この睡眠障害に見られる症状は、いびきがひどい、日中の眠気が強い、眠っている間に窒息感をともなって目が覚める、起床時の頭痛、知的活動の低下、全身のだるさなどです。
以下、重要な症状について説明します。

いびきは大事なサイン
いびきは、閉塞性睡眠時無呼吸症候群の多くに見られる重要な症状です。いびきは呼吸の通り道である上気道が、何らかの原因で狭まっているときに起こります。
もちろん、同じいびきでも無呼吸にならない、心配のないいびき(原発性いびき)もあります。しかし、いびきと睡眠時無呼吸は、咽・喉頭の狭窄で起こるという点において、病態生理学的に連続した現象であることを忘れてはなりません。

閉塞性無呼吸の起こり方

閉塞性無呼吸の起こり方

 

図9を見てください。これは、単純ないびきがしだいに閉塞性睡眠時無呼吸に移行する経過を示したものです。
図の左端では気道はいつも開いています。
ところが何らかの原因で上気道が狭くなると、時々の(間歇的=かんけつてき)いびきがはじまります。さらに気道が狭くなるにしたがい、上気道の抵抗がひどくなって、慢性的ないびきになっていくのです。
この段階では、まだ血中の酸素飽和度はそれほど下がらず、無呼吸も起こっていません。そのため、この状態をさして「上気道症候群」と呼ぶこともあります。
さらに気道が狭まると、最後には閉塞を起こす事態が生じます。こうして閉塞性睡眠時無呼吸に移行していくのです。
いびきと睡眠時無呼吸は、連続した現象なのです。いびきがある人すべてに睡眠時無呼吸があるというわけではありませんが、いびきは睡眠時無呼吸の存在を疑わせる一つの大事なサインであることだけはまちがいありません。
常習的にいびきをかく人で、いびきの途中で呼吸がおかしくなっているようでしたら、なるべく早く病院で睡眠呼吸障害のチェックを受けることをおすすめします。

日中の眠気が強くなる
眠っている間に呼吸が止まると、やがて苦しくなり、もがくようにして呼吸が再開されます。そのとき、脳波上は覚醒に近い状態になっています。
無呼吸が繰り返されると、眠りは中断され、深く眠ることができません。ところが呼吸が止まったことに気がつかないまま、朝まで眠っていることも多いのです。
無呼吸によって質のよい眠りがとれないと、翌日は眠気が強くなり、仕事中の居眠りも増えてしまいます。そして、注意力、判断力、能率の低下、抑うつ気分などの症状が起こります。それが慢性化すれば、たとえば運転中の居眠りなど、大きな事故にもつながりかねません。睡眠呼吸障害のある人は、ない人に比べ交通事故の危険率が3倍も高くなるという調査報告も出ています。
睡眠時間は確保しているはずなのに、日中の眠気が続くという人は、この睡眠障害を疑ってみるべきかもしれません。

臓器に悪影響を及ぼす
無呼吸時には、酸素の取り込みと炭酸ガスの排出が止まります。つまり、血液の中では酸素不足と炭酸ガスの貯留が繰り返されているというわけです。
その結果、さまざまな臓器が障害を起こしはじめます。その証拠に、閉塞性睡眠時無呼吸症候群の40〜70%の人に、高血圧が見られます。それも睡眠時に血圧が下がらない、「ノンディッパー型高血圧(夜間の血圧が低くならない)」が多いのが特徴です。
また、虚血性心疾患を合併する恐れも大きく、夜間狭心症発作の誘因にもなりかねません。同様に、脳卒中の危険因子となることも指摘されています。
呼吸をあなどってはいけないのです。

目覚めたときの頭痛
患者さんの半数くらいは、朝起きたときに頭痛が起こります。この頭痛は目覚めた直後にはじまり、しばらくすると治まります。痛みの性質は頭全体の鈍痛です。頭痛は無呼吸による睡眠中の血液酸素不足や脳脊髄液圧の上昇によるものと考えられます。

窒息感や呼吸困難感で目が覚める
患者さんの18〜31パーセントに、夜間の息苦しさや窒息感で目覚めるという訴えが見られます。ある患者さんは、水中で泳いでいて水面に顔を出そうとしてもなかなか届かず、苦しい思いをする夢を見て目が覚め、怖くて眠れなくなると話していました。

抑うつ気分は不調のシグナル
無呼吸のため睡眠が深まらず、日中の精神活動が低下し、抑うつ気分を生じることもあります。気分がすぐれないというのは、それだけで十分、身体の不調を訴えているものと認識し、くれぐれもあなどらないように注意してください。
上気道がふさがれる……ずんぐり型の人は要注意
閉塞性睡眠時無呼吸症候群の人には、体型や気質にいくつかの共通点が見られます。

無呼吸の発生

無呼吸の発生

たとえば、図10のように呼吸の通り道である上気道が狭くなっている人は要注意です。狭くなりやすい身体特徴としては、首が短い、下顎が小さい、扁桃腺やアデノイド肥大がある、口蓋垂(のどちんこ)が大きくなり気道をふさぐ、鼻中隔湾曲による鼻づまりなどがあげられます。
また、肥っている人に多い点も見逃せません。肥満は上気道の組織に余分な脂肪を沈着させ、咽頭腔を狭くするのです。
最も起こりやすい年齢は40〜60歳、8対1の割合で男性に多く見られますが、女性でも閉経後は発症しやすくなる傾向があります。
原因はいくつかあげられますが、最も考えられることは、体型で見たとおり、睡眠中に空気の出入りする上気道が狭くなるということです。上気道とは、鼻腔(びくう)から気管支末端までをいいます。健康な人であれば、眠っていても上気道は開いており、ちゃんと呼吸が行われています。
しかし、何らかの原因で上気道が狭くなりはじめると、起きているときには問題がなくても、いったん眠ると、もう呼吸ができないほどに狭まってしまうのです。
その原因は、気道の壁を構成している筋肉の緊張が低下するからです。仰向けに寝た場合、図10のように上気道入り口の舌根(ぜっこん)部や軟組織などが、重力の影響で沈下します。それによって、すでに狭くなっている気道をさらにふさいでしまうのです。
ふさがれる場所は、口腔咽頭部位(こうくういんとうぶい=のどの奥)が多いようです。
狭くなっている上気道で、眠りながら無理に息を吸おうとすれば、胸腔内は陰圧になり、狭い気道を通る吸気の流れが速くなってしまいます。つまり呼気が狭くなり、上気道周囲の粘膜が振動していびきがひどくなるのだと考えられます。
この状態を、紙ストローを濡らして濃いミルクセーキを吸うことにたとえてみましょう。勢いよく吸えば吸うほど、ストローは潰れてしまうでしょう。同じように上気道にも虚説が起こるのです。
なお、ある調査によると、いびき常習者の6分の1に睡眠呼吸障害があったといいます。とくに、いびきのなかでも、「ガーッ」という大いびきの後、突然ストンと息が止ま
る「エンスト型いびき」のある人は、無呼吸の疑いが強いので要注意です。
夜間のいびき、日中のだるさなどで判断する閉塞性睡眠時無呼吸症候群には、次のような診断基準があります。
⑴日頃から、睡眠中にいびきをかく。日中の眠気と過眠。睡眠中に息苦しくて目が覚める。
⑵朝起きたときの頭痛、身体のだるさなどの症状が見られる。
⑶診察(問診)時に、
①本人および家族から、日中の眠気や不眠の申し立てがある。
②睡眠中に呼吸が止まっていることが観察される(家人の確認)。
③大きないびきがある。朝の頭痛、目覚めたときの口の渇きが確認できる。

エプワース眠気尺度

エプワース眠気尺度

簡易検査
①昼間の眠気のチェック法(図11)
②酸素飽和度測定
睡眠時に、指先にメモリー機能付きのパルスオキシメーターセンサー(PULSOX‐M24)をつけて、夜間睡眠時の酸素飽和度を記録し、無呼吸のための酸素飽和度の低下がないかをチェックするスクリーニングテスト。簡単で苦痛もない検査です。この酸素飽和度の低下指数は、睡眠ポリグラフで検査される無呼吸指数との相関が、かなり高いといわれています。
③無呼吸検知モニター(生体情報モニター)
睡眠中に無呼吸になるかどうかを、簡易モニターで検査します。鼻の下につけたサーミスター(温度感知センサー)で気流の有無を確認し、睡眠を妨げることなく無呼吸の有無をチェックする方法です。
④睡眠ポリグラフ検査
睡眠ポリグラフ検査は、夜間睡眠の経過を詳細に記録する方法です。
測定する項目は、脳波、眼球運動、おとがい筋筋電図、呼吸(口・鼻サーミスター)、換気運動、心電図、動脈血酸素飽和度、下肢筋電図などで、これらを同時に記録します。
これによって睡眠時の呼吸の状態、低換気や無呼吸の有無などが確認され、それにともなう睡眠の変動も、詳細に記録されます。
この検査で、持続10秒以上の閉塞性無呼吸が睡眠一時間あたり5回以上出現し、それにともない脳波で覚醒反応を示した場合、閉塞性睡眠時無呼吸と診断されます。睡眠ポリグラフは、終夜記録ですから病院で行われます。
これらの診察から、閉塞性睡眠呼吸障害の特徴が見つかれば、診断は確定されますが、さらに上気道付近のMRI検査(磁気共鳴画像診断法)などを行い、狭くなっている部位の確定をすることもあります。

閉塞性睡眠時無呼吸症候群の対処法

閉塞性睡眠時無呼吸症候群の改善には、次のようなものがあげられます。
⑴生活習慣の改善を図る
・減量
・禁煙
・アルコールをやめる、あるいは減らす
・睡眠中の体位(仰向けに寝ない)を工夫する
⑵内科耳鼻科的治療
・CPAP(シーパップ療法)・薬物療法
⑶外科的治療法
⑷歯科装具を使う

まず減量からはじめる
まず、睡眠中の上気道の通りを悪くするような体質や身体条件を改善します。第一番目は、肥満の解消。体重と無呼吸指数とは相関するという研究報告もあります。生活習慣の改善では最初に取り組む課題です。
肥満は上気道の構造や幅に変化を起こします。咽・喉頭の細胞にも脂肪が沈着し、肥厚した脂肪組織が上気道腔を狭めるのです。閉塞性睡眠時無呼吸症候群の患者さんのMRIを見ると、上気道が脂肪組織によって狭くなっていることがわかります。また、首の回りが太くなると上気道内腔を圧迫し、気道の圧力を高めることも考えられます。
こうしたことから太っている人は、減量する必要があります。体重の10パーセントくらい減量すると無呼吸は改善されるか、ときには起こらなくなります。減量は困難な作業ですが、ぜひ取り組んでもらいたい治療法です。

喫煙の形容も見逃せない
タバコは睡眠に悪い影響を及ぼすことが知られています。
タバコを吸う人は寝つくまでの時間が長くなり、睡眠も安定しません。そのため日中の眠気も強くなります。また、喫煙は上気道の粘膜にむくみや炎症を招きます。炎症は上気道の抵抗を高め、無呼吸を悪化させてしまうのです。
ちなみにタバコを吸う人は、吸わない人に比べ、睡眠呼吸障害になる比率が4〜5倍高いといわれています。

飲酒といびきの関係とは
お酒を飲みすぎたときに、夫(または妻)のいびきがひどくなり、呼吸がおかしくなっていることに気づいたことはありませんか?
アルコールは上気道の血管を拡張、充血させ、粘膜の腫れや鼻づまりを招きます。また、上気道を開いて筋肉(おとがい舌筋)の動きを抑え、気道の抵抗力を弱めます。そのため、いびきのひどい人なら閉塞性無呼吸を起こし、すでに無呼吸のある人ならそれを悪化させてしまいます。さらに、目覚めを鈍くし、日中の眠気を増大させる働きも見逃せません。
無呼吸のある人は、お酒を止めるのがいちばんです。しかし、なかなか止められないという人もいるでしょう。そういう人は、眠る直前の飲酒だけでも避けましょう。アルコールの影響がほとんどなくなっている状態で眠りに入るよう、飲む時刻と量を考えてください。

睡眠中の体位を工夫する
いびきも無呼吸も、仰向けに寝るとひどくなります。仰向けの体位はからだにかかる重力で舌根沈下を招き、気道を狭くするか、あるいはふさいでしまうのです。
医師は患者さんに、横向きに寝るよう指導します。本人が意識しなくても横向きに寝られる、やわらかいテニスポールを縫い込んだパジャマなどをすすめているのです。同時に30〜60度くらいまで頭を高くしたポジションで寝てもらいます。この体位にすると、無呼吸がかなり軽減するといわれています。いずれにしても体位や枕などを再度見直し、気道が開き、かつ無理のない体位を工夫してください。

内科耳鼻科的治療 シーパップ(CPAP)療法

閉塞性睡眠呼吸障害には、睡眠中、鼻から持続的に一定の圧を加えた空気を送り込むことによって上気道の閉塞を取り除き、気道を確保する「n‐CPAP(シーパッ
プ)」という療法が広く行われています。シーパツプ療法の保険適用基準は、中等度〜重症の症例で、一時間あたりの無呼吸・低呼吸エピソード回数(無呼吸指数)が
20以上あり、夜間の睡眠が障害され、日中には過眠症が見られ、心臓血管障害があるような場合です。

シーパップ療法

シーパップ療法

 

実際の使用方法は、図12のように、シーパップ装置本体からエアチューブを通し、設定された圧力の空気を鼻マスクから気道に送ります。これが陽圧(外圧)になり、気道の閉塞を防ぐ空気の添え木のような役割を果たします。この装置は現在、小型軽量化され家庭でも操作できるようになっています。
病院ではまず、装着するマスクの周りから空気が漏れないように、マスクを正しくフィッティングする訓練をします。次に、送り込む空気が上気道の閉塞を防ぐよう圧を設定します。最初は圧を4〜5cmH2Oの低い圧からはじめます。その圧でも呼吸が異常で、夜中に目を覚まし、血液の酸素濃度も低下したままであれば、1〜2cmH2Oずつ圧を上昇させていきます。無呼吸・低呼吸、いびき、血中酸素の異常がなくなる圧に達したら、そこをその人の処方圧と決定します。なお、この一連の操作は、オートシーパップという装置が自動的に行うこともできますが、全部機械に任せることはせず、人為的にきめ細かく圧を設定するマニュアル法をすることが多いのが現状です。
シーパップ圧の設定のほかに、患者さんの夜間睡眠ポリグラフ記録も必要です。これを別々に行うと二日間必要となりますので、患者さんへの時間的な負担を減らすため米国やわが国では、睡眠ポリグラフと圧の設定を同時に行うスプリットナイト指導が行われています。その方法は、一夜の前半は睡眠ポリグラフ記録を行い、後半はシーパップの処方圧を設定するのです。
専門医または技師による使用に関する指導(と手続き)が終われば、在宅でのシーパップ治療がはじまります。その後の外来での指導は月一回くらい。病状に合わせ圧についての微調整を行うためです。
シーパップ治療法を続けるうえでの問題点は、
①鼻腔マスク装着の不快感があるため、途中で止めてしまう例があること
②乾燥、鼻づまり、鼻の痛み、鼻血
③胸部圧迫感
④結膜炎、皮膚炎
などがあげられますが、加温加湿器の併用や治療圧の調整などで防ぐことが可能です。
この療法は、原因を取り除く療法ではありません。いわば対症療法です。しかし、効果はてきめんで、眠気と倦怠感が改善し、睡眠の質もよくなり、さらに血管障害などの合併症を防ぐことも期待できます。医師と相談しながら根気よく続けることが重要です。

精神安定剤の服用

主な治療薬としては、アセタゾラミド(商品名ダイアモックス)という薬が、閉塞性睡眠時無呼吸症候群にも効果があるとされています。この薬は健康保険適用になっており、換気を促進させる作用があると認められています。就眠前に1〜2錠を服用します。副作用として、手足のしびれ、胃の不快感、食欲の低下などが見られることがありますが、軽度の症例に効果があります。
また、女性ホルモンのプロゲステロンには、呼吸中枢を刺激する作用があります。医師の指示にしたがって、1日3錠を3回にわけて服用します。
さらに、SSRI(選択的セロトニン再取り込み阻害薬)という薬が、無呼吸を減少させるという研究報告も出ています。この薬は、うつ病の治療薬として、最近とくに知られるようになったものです。脳内のセロトニンという物質を増やしてうつ病を治すのですが、セロトニンには上気道の拡張筋や、横隔膜の活動を調節する作用もあるのです。つまり、脳内のセロトニン活動が高まれば、上気道筋の緊張が保たれ、横隔膜の活動も高まり、無呼吸を減らす効果が期待されるというわけです。
この製剤は、マレイン酸フルポキサミン(商品名デプロメール、ルボックス、パキシル)を一日二回、朝夕に服用します。その結果、無呼吸の回数が減り、酸素飽和濃度も上昇するというのですから、新しい薬物療法の可能性として期待したいところです。
これらの薬物療法は、完全に無呼吸を消失させるものではありませんが、軽症の場合には効果もあり、また他の治療の補助手段としても有効です。
また中枢神経系を抑制するベンゾジアゼピンなどの安定剤は、上気道を構成する筋や呼吸筋の力を弱めるので、服用にあたっては専門家とよく相談する必要があります。以上の製剤は、個人輸入代行業者からもお取り寄せできます。

外科的治療法
肥大したアデノイドや扁桃腺が発症の原因となっている場合は、これを耳鼻科で取り除きます。
最近の手術は、大きくなっている口蓋垂や舌に針を差し込み、そこから高周波を放射して蛋白質を凝固させ、細胞を壊死させることで厚くなっていた組織を小さくする方法などが主流となっています。入院の必要もなく、痛みも少ない簡単な手術として期待されている方法です。

歯科装具を使う
夜間に歯科装具を口に入れて、下顎を4〜7ミリ前に出すことで、舌の付け根部分や後口蓋の気道の虚脱を防ぎ、上気道を確保する治療法です。それによって無呼吸の回数が減り、睡眠内容も改善されるのです。とくに軽症の睡眠時無呼吸には効果があるようです。

【症例】いびきと睡眠不足でとうとう事故に(55歳男性)
Dさんは憂鬱(ゆううつ)な日々を送っていました。その理由は自分のいびきです。
あまりにひどいいびきのため、奥さんからは寝室を追い出され、別室で寝るようになりました。Dさんの愛犬は主人を思ってか、初めのうちはDさんといっしょに寝ていましたが、このごろは夜になると部屋から逃げ出してしまう有り様です。子どもの友だちが家に泊まりに来ても、Dさんのいびきのすごさに驚くばかりです。
自分でも眠りが浅いことはわかっていました。日中の仕事でも居眠りが出てしまい、先日などは大事な会議中にいびきを発し、ひんしゅくをかってしまいました。
週末も大変です。教会でも牧師さんのお話をいびきで伴奏し、奥さんに外へ引っ張り出されたこともありました。映画館へ行ってもいびきをかき、周りの人に怒られ鑑賞ど
ころではありません。
とうとう車の運転中も居眠りをはじめ、追突事故を起こす始末。ようやく事の重大さを察した奥さんが、渋る本人を説得して病院に来たというわけです。当の本人は、いびきくらいでなぜこんなに大騒ぎするのか理解できず、不満そうでした。
診察の結果、Dさんには肥満と高血圧が認められました。睡眠ポリグラフでも睡眠中の無呼吸指数が10回以上認められたため睡眠呼吸障害と診断されました。いびきと日中の眠気が目立っていましたが、その背後に睡眠呼吸障害が存在していたというケースでした。
上気道を狭くするような耳鼻科的な所見はなかったので、とりあえず体重を減らすように指導し、寝る前に無呼吸を抑制する作用のあるアセタゾラミド(商品名ダイアモックス)を1錠飲んでもらい経過を見ることにしました。
一ヵ月後、本人がきちんと服薬し、真面目に減量に取り組んだかいもあって、「しだいによく眠れるようになり、日中の眠気もいくぶん減った」ということでした。

むずむず脚症候群・周期性四肢運動障害

脚がむずむず、ぴくん! と動いて眠れない
1998年の米国睡眠研究財団の調査で、脚のむずむずする感覚で眠れない人がいることがわかりました。夜眠ろうとしているときや、うつらうつらしているときに、主として
ふくらはぎ深部に虫が(アリが)這うような不快なむずむず感が生じて眠れなくなるものです。
これはむずむず脚症候群といわれるもので、夕方から夜間にかけて出現します。脚を動かすと改善、消失するのが特徴です。この異常感覚のため、脚を動かしたいという気持ちが強く落ち着かなくなります。脚を動かすと症状は消えますので、絶えず脚を伸ばしたり、組み替えたりして眠りにつけない状態が続きます。
この患者さんのハ割くらいには、ようやく眠りはじめたころ、四肢に周期的に繰り返す異常運動が見られます。とくに下肢がぴくん、ぴくんと持ち上がるような足関節が背屈する不随意運動が起こります。これは周期性四肢運動障害と呼ばれるものです。このむずむず・ぴくん障害は中年から高年にかけて多く見受けられます。疲れているときやカフェインを取りすぎたときに起こりやすいといわれます。
むずむず脚症候群が疑われるのは、
⑴夜に起こる下肢の不快な感覚と入眠困難
⑵ふくらはぎ内部に起こる虫が這うような不快感
⑶この不快感は下肢を動かすと改善する
などの自覚症状がある場合です。

鉄欠乏症や、腎臓系に問題がある人は要注意
むずむず脚症候群は原因不明の特発性のものといわれますが、原因が特定できるものもあります。
たとえば妊娠(20週目以降)、鉄欠乏性貧血、腎疾患などを基礎として起こるものです。尿毒症はむずむず脚症候群の最も一般的な原因のIつと考えられています。人工透析を受けている患者さんの60〜80パーセントにむずむず脚症候群の合併があり、そのための不眠が見られます。

ぴくん! ときたら要注意
周期性四肢運動障害が疑われるのは次のような場合です。
睡眠中に片側または両側の足関節に短い背屈運動が反復して起こること。この不随意運動は周期的に起こり、間隔は約25〜40秒です。そのため覚醒し、睡眠障害を起こしま
す。
睡眠ポリグラフによって下肢の運動を確認し、その頻度が一時間に5回以上認められるようなら異常と考えます。ぴくん運動の多い患者さんでは、一時間に100回以上の運動が見られることがあります。
この障害に一見似た症状があります。それは寝入りばなのぴくつき(入眠時ミオクローヌス)といわれるものです。誰でも寝入りばなに、からだの一部がぴくんとなることを経験すると思います。これは生理的な筋肉の収縮で、それもほとんどの場合、単発なので心配ありません。

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